「日本の大学生の中国体験」訪問団が訪中

「日本の大学生の中国体験」訪問団のキックオフセレモニーがこのほど、東京で開かれた。セレモニーには在日本中国大使館の施泳公使が出席して挨拶を行った。また中国訪問団のメンバーである日本中央大学の学生や中国駐東京観光代表処、日本華文教育協会などの関係者約100人が出席した。在日本中国大使館広報部の張沛霖公使参事官と同領事僑務部の陳巍公使参事官兼総領事も出席した。

多くの日本人に客観的で

リアルな中国を知らせたい

施公使は挨拶の中で、「中国の四川省は『パンダの里』とされているだけでなく、『天府之国』とも呼ばれている。四川省の自然の景色は雄大で美しく、輝かしい伝統文化を誇り、さらに、ピリッと辛くておいしい四川料理もある。今回の中国訪問の旅では、中国の大学生との交流イベントも計画されており、非常に有意義だ。訪問団のメンバーである大学生たちが中国で素晴らしい友達や仲間を作り、踏み込んだ交流を通して相互理解を深め、両国の国民の間の架け橋を強化し、中日友好の基礎を固めることを願っている。大学生たちが中国で見聞きしたことを周りの家族や友人に伝え、『中国体験』関連のイベントに誘い、一人でも多くの日本の方々に客観的で、リアルな中国を知るためにサポートして欲しい」とした。

中国駐東京観光代表処の欧陽安首席代表は、「1972年に四川で生まれたパンダ2頭が中国の国民からの心のこもった挨拶と祝福する願いを込めて、初めて日本の地にやって来た。当代表処は昨年、日本の人々が四川省に行って上野動物園から中国に返還されたパンダ・シャンシャンと再会する旅を企画した。ここ50年余りの間、その親睦は深まり続けている。今回中国を訪問する日本の大学生が中国を肌で感じ、その素晴らしい思い出を一人でも多くの人に伝え、中日友好の種を受け継いでいくことを願っている」とした。

 

パンダ「シャンシャン」と再会

「日本の大学生100人の中国体験」をテーマとしたイベントは、3月9日から14日まで四川省で行われる。日本の中央大学、福井大学、東京理科大学、早稲田大学の学生39人がこの日、シャンシャンを見に訪れ、今回の訪問を通じてジャイアントパンダの保護活動に対する理解を深め、中国との物語を紡いでいきたいとした。

会えて本当にうれしい

四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地は、3月10日に特別な観光客を迎えた。一行の1人、早稲田大学で学ぶ小坂暢然さんは、「シャンシャンに再会し、その成長を確認することができて本当にうれしい」と話した。他の人も小坂さんと同じように、シャンシャンに会うのを心待ちにしていた。

3年前にシャンシャンを見たという西田亘太郎さんは、「日本で見た時と比べて、シャンシャンがより活発になっている。大自然により近い感じがする。シャンシャンの中国での生活環境は素晴らしく、人との間に適切な距離が取られている。機会があれば他の基地にも行って、もっとたくさんのパンダを見てみたい」と話した。

 

パンダは家族のようなもの

今回同行したパンダの写真を得意とする写真家の高氏貴博さんはシャンシャンの「ガチのファン」で、今回はシャンシャンが帰国してから2回目の四川訪問だ。

シャンシャンが2017年に一般公開されてからほぼ毎日、日本の上野動物園で成長や変化を撮影記録してきた高氏さんは、「パンダは家族のようなもので、自分と中国の素敵な物語のきっかけでもある。シャンシャンは中国に帰ってしまったが、日本の人々との友情はこれからも伝えられ温められるだろう。自分もまた中国に来てシャンシャンの成長を記録に残したい」と話した。

 

蜀漢の地で三国時代と出会う

「この瞬間、私たちは歴史の中の三国時代にこんなにも近づいている」。3月11日、四川省成都市にある成都武侯祠博物館で、日本の中央大学の学生・青山侑樹さんは、流ちょうな中国語でこのように語った。

紙の上で得た知識は浅い

旅行を通じて深く理解

同博物館は恵陵、漢昭烈廟、武侯祠、三義廟から成り、中国で唯一の劉備、諸葛亮(孔明)、関羽、張飛ら三国時代の蜀漢の英雄たちを記念し、君臣を合同で祭った祠廟であり、世界的に最も影響力がある三国時代の遺跡博物館でもある。

三国の物語は17世紀からアジア地域に広く伝わり、今日の日本では小説、漫画、人形劇、ゲームなどさまざまなスタイルで絶えず人気が広がり、日本人になじみの深い登場人物も少なくない。

「一番好きな三国時代の人物は劉備。三顧の礼で諸葛孔明と出会った時のエピソードは、日本でもとても有名」と話す中央大学の戸田有亮さんは、中国文化を学んで約8年になり、これまでに北京、太原、石家荘などを訪れたという。「魏・蜀・呉の歴史物語、曹操や劉備などの人物、『三国志演義』などの作品は、日本でとてもよく知られている」と戸田さん。

子どもの頃から三国時代の物語が好きだという中央大学の中山怜さんは、「自分のこれまでの三国の歴史に対する理解は漫画・アニメやゲームの中にとどまっていた。日本人の多くは自分と同じように、漫画・アニメ・ゲームなどを通じて三国時代の英雄や人物を知るが、紙の上で得た知識は浅い。今回の旅行を通じて三国の文化をより一層深く知り、理解することができた」と話した。