「コンサート観光」を楽しむ中国の若者たち
都市の観光消費を喚起

現在、若者の旅行スタイルがますます多様化しており、楽しい体験をすることが遠くまで出かける十分な理由になった。

オフラインのコンサートは2023年に大いに盛り上がり、エンターテインメントを楽しむために他都市へ出かける人の割合が大幅に上昇した。若者の間でコンサートや音楽フェスティバルをきっかけに、他都市の「行くべきスポット」を訪れて消費をすることがより人気となっている。

ナイトタイムエコノミーは目下の都市観光関連消費の重要な構成要素だ。「音楽を追いかけて旅行をする」人々が、コンサート開催都市のナイトタイムエコノミーに賑わいをもたらしている。

中国観光研究院がまとめた「中国ナイトタイムエコノミー報告2023」のデータによると、観光客は夜間の観光商品の体験に関して、音楽フェス・コンサートが増えたことを目立った特徴として挙げた。「コンサート観光」は新たなコンサート観光シーンとして、目下、地域内の飲食、宿泊、移動交通、観光、ショッピング、エンターテインメントなど各種サービス消費を効果的に牽引している。

コンサート人気の爆発的な高まりが、飲食業の「関連サービス」を直接的に活性化した。全国チェーンの火鍋レストランの広西壮(チワン)族自治区南寧市にある支店の店長は、「歌手の林俊傑(JJ Lin)と鄧紫棋(G.E.M.)がこちらでコンサートを開催した日は、いつもよりお客さんが多かった」と明かす。

観光ビジネスプラットフォームの調査研究によると、人気都市では大型コンサートの開催期間中、中心エリアのホテル価格が異なる程度の値上がりが見られる。交通が便利になったこともあり、音楽を愛する人々の間ではコンサートに行くのに三線都市や四線都市の会場を選ぶのが新たなトレンドになっている。

エンタメ業界の関係者は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、過去数年間、開催が控えられてきたコンサートが多く、解禁になると爆発的な勢いを示している。観客側もこれまで我慢してきたのを埋め合わせようとしてオフラインのエンタメニーズが大幅に増加した。観光とエンターテインメントの融合は、新たな消費ニーズに促されて誕生したものであり、『体験型経済』時代の必然的な選択肢でもある」と述べた。