デジタル化が「健康中国」を牽引

インターネット病院、オンライン診療、インテリジェントヘルスケア……近年、インターネット、クラウドコンピューティング、5G、人工知能、モノのインターネット等の技術の発展に伴い、デジタル化がヘルスケア産業を牽引し、医療・ヘルスケア関連企業に新思考を提供している。

顧客に壹健康i37スマートリングの説明を行うスタッフ

企業の視点は当初の生産至上主義から「患者中心」主義へ、「病気の治療」から「未病の治療」へと移行し、「大健康」理念は生産・経営のすべてのプロセスに浸透している。

指輪サイズのスマートリングを薬指に装着するだけで、脈拍、血圧、生理周期等のデータが、内蔵されたチップから壹健康のウィーチャットミニプログラム或いはアプリに同期される。

10数年前は、壹健康は従来型の「製品を販売する」企業であったが、ヘルスケア産業のデジタル化の趨勢に伴って、「製品の販売」から「サービスの販売」へ、「販売駆動」から「データ駆動」へと移行し、ヘルスケア産業のデジタル化及び標準化を実現した。

壹健康の創業者である皮涛涛董事長によると、同社はAIのビッグデータに基づき、スタッフとユーザーをランク分けした新たなインテリジェントプラットフォームを構築し、ユーザー及びサービススタッフに画像を提供し、ユーザーに科学的かつ効率的にスタッフをマッチングし、最適なヘルスケアプログラムを提供していると言う。

いまや、壹健康はデジタル駆動を核心とする、ライフサイクル全体をカバーしたヘルスケアビジネスモデルを実現し、ビッグデータによる総合ヘルスケア企業へと成長した。

近年来、デジタル化を推進し、医療・ヘルスケア産業の発展をさらに促進するための優遇政策が矢継ぎ早に打ち出されている。

中国共産党中央委員会事務局及び国務院事務局が発布した『医療・衛生サービス制度の更なる改善に関する意見』では、「インターネット+医療・健康」の施策を推進し、医療分野のインターネットプラットフォームを構築し、インターネット、ブロックチェーン、モノのインターネット、人工知能、クラウドコンピューティング、ビッグデータ等の技術の医療・衛生分野への応用を加速し、健康・医療に関するビッグデータの共有・交換及び保障システムの構築を強化するとしている。

 

特色あるデジタルヘルス

産業モデルを確立

専門家は、今後、デジタルヘルス産業の一層の発展に向けて、思考をアップデートし、市場の可能性を探り、中国の特色あるデジタルヘルス産業モデルを確立する必要があると指摘する。

清華大学学術委員会委員で情報科学技術学部オートメーション科学術委員会の張学工主任は、企業は人びとの生命・健康に対して、中国の医療・ヘルスケア事業の特性に立脚した問題点を捉え、自社の技術ロードマップを策定し、データ、理論、アルゴリズム等の基礎的業務を強化し、スマート技術、情報技術、バイオテクノロジーを融合・発展させ、「デジタルライフシステム」を核心とした医療・健康・アカデミック及び産業エコロジーを形成し、「健康中国」の実現に寄与すべきと語る。