世界の代表的な半導体関連企業11社の2024年第4四半期(4Q)売上高ガイダンスは、平均で前年比2%増加と4四半期ぶりにプラス成長の見込みである。一方で、前四半期比の伸び率は平均で1%減少の予定であり、絶対水準としての強さは感じられない。4Qに前年比で最も高い売上高伸び率を予定しているのは、米国のQorvoで35%増、台湾MediaTekの14%増がそれに続く。スマートフォン向け半導体の需要が他の分野に比べて今後の回復が早まる可能性がある。それ以外で前年比プラス成長の売上高を計画しているのは、米国のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル、NXPセミコンダクターである。 一方、同じく米国のマイクロチップ・テクノロジー、テキサス・インスツルメンツ、スカイワークス・ソリューションズなど6社は、4Qの売上高で前年比マイナス成長を見込んでいる。産業用半導体の需要減少が影響していると考えられる。自動車用半導体も、大手顧客が一部在庫調整を行っている影響があるかもしれない。
米国のソフトウェア会社であるMicroSoftとAdobeは、生成AI製品や関連アドオン製品を急速なペースで投入している数少ないアプリケーションソフトメーカーである。AI製品の利用は拡大しているが、企業はAIが生成するコンテンツが引き起こす法的問題について引き続き検討しており、そのため企業による採用の進捗は緩やかなものと見られている。使用頻度に基づく課金や生産性向上の成果の共有など、新たな収益モデルの登場も、企業がさらに慎重になる要因とされている。全般的には、今後10年のソフトウェア投資が加速する可能性が高まっていると考えられており、今後10年で生成AIが同分野の売上高を3180億ドル押し上げると見込まれている。専門分野に特化したAIアシスタントは、アプリケーションソフト業界におけるAI技術の主要な担い手として台頭してきている。
ゲーム開発における生成AIの利用は、2024-2025年に加速する見通しである。AI技術は、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)との会話、ゲーム内資産やプロシージャル生成(自動生成)によるレベルデザインの多様化など、活用の場が広がっている。生成AIが特定のゲームの成功を決定づけるとは考えられていないが、リリース前にバグを発見・修正することで、ゲーム開発の速度を向上させ、デジタル世界に深みを加えることは可能だとされている。
張 益偉 Choko Zhang
上智大学卒業し、金融工学専攻。特許金融分析師(CFA)と金融リスクマネージャー(FRM)の資格を保有しています。卒業後、方正証券の半導体セクターアナリストとして2年間の経験を積み、現在はFinlogixでストラテジストアナリストとして勤務しています。
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