UNWTOの「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に 中国から4村が入選

中国文化・観光部によると、現地時間10月19日、ウズベキスタン・サマルカンドで開催されている第25回国連世界観光機関(UNWTO)総会で「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」が発表され、中国からは江西省の篁嶺村、浙江省の下姜村、甘粛省の扎那(ツァガナ)村、陝西省の朱家湾村が選定された。

「ベスト・ツーリズム・

ビレッジ」は世界最多

2021年に選定された浙江省の余村、安徽省の西遞村、2022年に選定された広西壮(チワン)族自治区の大寨村、重慶市の荊竹村と合わせると、中国の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」は8カ所となり、世界で最多となった。

   

江西省上饒市婺源県の篁嶺村には、秋の収穫物を天日干しする「晒秋」と呼ばれる風習があり、その独特の美しい景色が中国国内外で人気となっている。約580年の歴史を誇る篁嶺村には、明や清の時代の建築物が100棟以上あり、現存する「徽派建築」を研究する重要なサンプルとなっている。

浙江省杭州市淳安県に位置する800年以上の歴史を誇る下姜村はここ約20年、生態系回復に積極的に取り組み、村の景観が改善されている。かつては山間部の寒村だった同村は今、人気の郷土料理レストランや民宿があり、果物と農作物が実り、観光客が押し寄せる活気あふれる村となっている。

標高が平均2800メートル以上の扎那村は、チベット語で「石の箱」という意味がある。甘粛省甘南蔵(チベット)族自治州迭部県に属する村で、険しい山が連なり、雲やもやがかかると、まるで仙境のような景色が広がる。扎那村は近年、農村観光を通して生態系保全を強化し、各民族の交流と融合を促進する新たな道を模索している。

秦嶺山脈の南麓に位置する朱家湾村は陝西省商洛市柞水県に属し、「山奥にあるためまだほとんど知られていない天然の酸素バー」と呼ばれている。朱家湾村は近年、文化資源を踏み込んで発掘し、秦嶺山脈の旧屋、古道遺跡、柞水県の漁鼓、伝統的な酒作りといった文化遺産が、農村観光の発展において、新たな活気と活力を放つようになっている。

UNWTOでは2021年から、「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」の選定を行っている。今年は、63カ国から258件の申請があり、最終的に32カ国の54村が選定された。