今年の「ダブル11(11月11日のネット通販イベント)」には、旅行商品の売上げがなかなかの成果を上げた。オンライン旅行サービスプラットフォームの飛猪(フリギー)がまとめたデータでは、「ダブル11」のイベント商品の取引額は前年同期比で60%以上増加し、山東航空、長隆リゾートエリア、上海ディズニーリゾート、万達テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・北京など12ブランドの取引額が1億元(約18億円)を超えた。これは観光業従事者に自信と原動力を与えた。
「旅行ストック」が新たなトレンドに
年に一度のショッピングイベントシーズンに、旅行商品を「ストック」(将来の一定期間内の旅行商品を予約購入できる権利などを購入すること)しておくのが多くの消費者の習慣になりつつある。
データを見ると、「ダブル11」期間に、ユニバーサル・スタジオ・北京は冬-春シーズンにエリアに入れるカード、指定日以外に2回入場できるチケット、付設のホテル2軒(ユニバーサルスタジオ・グランドホテルとNUOリゾートホテル)の宿泊券の3大新商品の累計売上が7万件に上り、航空会社8社のパック商品「随心飛」の累計売上は10万件を超えた。
またユーザーが増加して旅行会社の売上げも増加した。たとえばヒルトンホテルは新規会員が40万人以上増加し、長隆リゾートエリアの新規会員も12万人を超えた。
旅行会社、オンライン旅行サービスプラットフォームなどが打ち出す一連のサービス措置は、消費者の「旅行ストック」をめぐる後顧の憂いをなくした。
人気商品、シーズンの人気商品、格安航空券・ホテル、特別予約などユーザーのさまざまなニーズに応じてコストパフォーマンスの高い旅行商品を打ち出しただけでなく、消費者に「事前に予約し、いつでもキャンセルOK」など便利なサービスを提供し、新型コロナウイルス感染症が収束した後で観光客が旅行計画をより立てやすくなるようにした。
旅行の新たな楽しみ方が若者に人気
今では若者が観光消費の中心で、彼らは自分の個性に合った、特色ある旅行商品をより好み、旅行での体験感をより重視する。この新たな消費トレンドは旅行商品の変化を直接的に推進した。
より柔軟で豊富なホテルのパック、「随心飛」などの商品に人気があった。今年の「ダブル11」には、飛猪プラットフォームが初めて複数の「随心飛」商品を売り出して、変化に富む消費者の旅行ニーズに応えた。
「将来の旅行を予約」が今年の「ダブル11」の旅行商品セールに見られた大きな共通点で、「旅行商品をストック」が、大手旅行会社がそろって打ち出すテーマになった。
こうした「事前に予約し、いつでもキャンセルOK」の旅行商品は、サービスモデルがより柔軟で、旅行会社の新しいマーケティングモデルになった。
11月10日から26日までの間に、旅行予約プラットフォームの同程旅行は「『ダブル11』旅行ストック月間」キャンペーンをスタートし、「先にストック、後から予約」に対応し、通年にわたり対応可能とした。
このキャンペーンでは、観光客はお得な価格で気に入った旅行商品を「ストック」し、自分のために「通年の旅行計画」を前もって立てることが可能だ。
同程の関係責任者の説明では、最近は同社プラットフォームで「雪を見る」、「スキー」、「エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)ホテル」などに関連した旅行の検索件数の増加率が200%を超えた。
このキャンペーンに参加すれば、観光客は温泉やスキー場周辺の旅行商品を事前に予約して、周辺の冬の観光を楽しむことができ、また旅行計画の期限を延長して、春節(旧正月、2022年は2月1日)、メーデー、国慶節(建国記念日、10月1日)などの連休にも適切な価格の旅行商品を選択して、旅行のコストパフォーマンスを上昇させることができる。
旅行会社はより細分化した市場にターゲットを絞っている。
キャンプ市場をにらんで、途牛旅遊は森林キャンプ、砂漠キャンプ、夏休みファミリーキャンプなどターゲットをより具体的に絞った商品を打ち出し、映画、コーヒーなどの要素をキャンプに組み込み、若者たちの消費ニーズに応えようとしている。
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