翁道逵 ベリーベスト法律事務所(中国弁護士)
日本の暗号資産に関する法制度ガイド その65

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、勧誘・広告の自主規則として、暗号資産交換業に係る勧誘及び広告等に関する規則・ガイドライン を規定しております。

今回は認定協会のこの「暗号資産交換業に係る勧誘及び広告等に関する規則・ガイドライン 」(以下「勧誘広告規則」という)を紹介します。

勧誘の基本姿勢

「勧誘広告規則」第2条によると、会員は、取引の勧誘に際して、利用者保護の精神に則り、取引の信義則を遵守し、品位の保持を図るために、利用者に対して的確な情報を提供しなければなりません。また、会員は、利用者の知識、経験、財産の状況、年齢及び暗号資産関連取引に係る契約を締結する目的やリスク管理判断能力等を慎重に勘案し、利用者の意向と実情に即した取引の勧誘を行う必要があります。

さらに、会員は、取引の勧誘に際しては、自己の判断及び責任で取引を実施すべきことを、利用者に対して適切に理解させなければなりません。

ちなみに、会員及びその役職員は、暗号資産交換業者以外の者に、会員のために、利用者に対して暗号資産関連取引の勧誘を行わせてはなりません。

 

広告宣伝等の基本姿勢

「勧誘広告規則」第 15条によると、会員は広告又は景品類の提供を行う場合には、利用者保護の精神に則り、取引の信義則を遵守し、品位の保持を図らなければなりません。また、会員は広告の内容に関して、的確な情報をもって、明瞭かつ正確に表示しなければなりません。

また、会員は実施する広告又は景品類の提供が「勧誘広告規則」に反することが明らかとなった場合には、速やかに当該規則に則した取り扱いとするために必要な措置を取る必要があります。過去に実施した広告又は配布した景品類についても、その回収に努めなければなりません。

さらに、「勧誘広告規則」において、広告における表示事項、必要事項の表示方法、比較広告に関する留意事項などの詳細な規定が定められています。

(次回へ続く)