日本はようやく「失われた30年」から抜け出したのか

2023年8月22日、華字メディアの日本華僑報網は、日本の今年4〜6月の国内総生産(GDP)成長率が年率換算で6%に達したことについて「失われた30年から抜け出したのか」とする文章を掲載した。

文章は、内閣府が15日に今年第2四半期(4〜6月期)のGDPを発表し、物価変動の影響を除いた実質GDP成長率が四半期ベースで1.5%、年率換算で6.0%という驚異的な伸び率となり、第1四半期(1〜3月期)の年率換算成長率2.7%、市場予想の4.2%のいずれも大きく上回ったと紹介。日本にとってこれほど高い成長率は非常に珍しく、20年の新型コロナ感染拡大以降で最高となっただけでなく、1988年以降の過去35年間における最高成長率でもあると伝えた。

そして、非常に高い経済成長率が実現した要因として「新型コロナ収束後の貿易と輸出の回復」「金融緩和政策による円安」「過熱気味の米国経済からの影響」の3点を挙げている。

一方で、日本が「失われた30年」から抜け出せたかどうかは、四半期ごとのGDP成長率だけでは判断できないと指摘。また、今回の経済成長が輸出増、輸入減の貿易黒字増に大きく依存したものであり、世界的な金融環境の不安定さを背景に、巨額の貿易純増を主とする経済成長が持続可能かは不透明だとしたほか、日本の内需がなおも弱く、今年4〜6月期の日本の個人消費は前年同期比0.5%減となり、消費が現在の成長において重要な役割を果たせていないことは明らかだと論じた。

文章はさらに、日本の雇用者の実質賃金は物価の上昇などによって増加するどころか減少しており、実質的な収入源は消費の伸びにも影響すると紹介。4〜6月期の民間設備投資も成長率がほぼゼロで、民間企業の市場消費回復への信頼が不足し多額の投資を渋っている状況が浮き彫りになったとし、投資不足は必然的に経済成長の勢いの欠如につながると伝えた。(翻訳・編集/川尻