新疆ウイグル自治区ウルムチのシルクロードスキー場
「スキーを愛する者として、ずっと新疆維吾爾(ウイグル)自治区で滑りたいと思っていて、ついに夢がかなった」。同自治区阿勒泰(アルタイ)市の将軍山スキー場で、スキー愛好家の張勇さんはこのように語った。
氷雪観光商品の注文が増加
吉林省の霧氷、哈爾浜(ハルビン)市の氷の彫刻、四川省と西蔵(チベット)自治区にまたがる雪山の日の出、アルタイ市可可托海の雪山の峡谷、黒竜江省伊春市の雪景色の中にある温泉……ここ数年、中国では氷雪観光が安定的な急成長傾向を維持している。
美団プラットフォームのビッグデータによると、2019年下半期の雪のシーズンに、中国国内の氷雪観光商品の注文額は前年同期比8.29%増加し、注文量は14.15%増加した。
20年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、対策をしっかり行うと同時に、氷雪観光の急速な回復を実現した。20年下半期の雪シーズンになると、全国の氷雪観光商品の注文額は13.61%増加し、注文量は23.46%増加した。
美団研究院が発表した報告書によると、中国の氷雪観光は規模が拡大すると同時に、新しい特徴をみせるようになった。
1つ目の特徴は、消費の中身がさまざまな業態へと拡大発展し、氷雪観光と文化観光、スポーツ観光などとの融合が急速に進んだこと。
2つ目の特徴は、氷雪楽園、氷雪世界といった観光プロジェクトが消費者の間で人気を集め、80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)が氷雪観光消費の中心になったこと。
3つ目の特徴は、消費者が氷雪観光の目的地を選択する時、ネットでの口コミにより注目するようになり、観光地のサービス水準により高い要求を出すようになったことだ。
中国社会科学院観光研究センターの呉若山特約研究員は、「ウィンタースポーツと氷雪観光のポテンシャルはまだまだ大きく、ポテンシャルを発揮できるかどうかのカギは体験の向上にある。消費者のニーズという角度から出発して、サービスの質を引き上げ商品をより豊富にし、氷雪観光の文化的な内容を充実させることが必要だ」との見方を示した。
イノベーションと伝承の中で氷雪の民俗文化を形成
国家級の無形文化遺産として、漁業従事者の祖先たちの勤勉さや知恵を伝える吉林省・査干湖の伝統漁「冬捕」は、イノベーションと伝承の中で内容豊富な氷雪の民俗文化を形成し、毎年12月末になると、評判を聞いた大勢の観光客が訪れるようになった。
伊春市の金山小鎮の「氷湖雪村」、豊林県の「自在香里」の自然・田園融合体、鉄力林業局小黒河の林場、小興安嶺アウトドアスポーツバレーなどは、昔からある森林地帯の生産と生活のスタイルを復元し、観光客が氷と雪の中で現地の特色ある森林文化、民俗文化、グルメ文化を体験できるようにした。
氷雪観光の知名度を上げるため、黒竜江省大興安嶺地区塔河県文化・スポーツ・ラジオ・テレビ・観光局はオンライン観光PRチームを立ち上げ、現地の素晴らしい自然、氷景色・雪景色、人的・文化的特色と結びつけた創作活動を行い、中国のショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」をはじめとするプラットフォームでショート動画やライブ中継の形で情報を発信し、ネットワーク全体で66万人を超えるフォロワーを獲得した。再生回数は6億回に上り、再生回数が5千万回を超えた動画が複数ある。
漁猟冬捕文化節で披露されたこの地域の民族の特色を伝える薩満舞(黒竜江省肇東市)
雪と氷に関連したさまざまな新しい設備・器材が登場
氷雪経済は各種の氷雪関連装備にも火を付けた。このほど行われた2021年ハルビンオンライン氷雪博覧会には、雪と氷に関連したさまざまな新しい設備・器材が登場した。
同博覧会のプロジェクト責任者の劉楽楽さんは、「博覧会が(オフライン開催から)オンライン開催に変わったので、出展企業の意欲が低下すると思っていた。まさか開幕式当日、アクセス数がのべ9313万回にもなるとは思ってもいなかった。博覧会には中国内外の4380社あまりの企業が参加し、氷と雪に関連した設備・器材、衣類・服飾品、スケート場・スキー場の周辺ビジネス、氷の彫刻ツール、氷雪観光、寒冷地の食品という6つの専門テーマのエリアが設置され、1月18日の時点で、オンラインプラットフォームにおける取引額は5813万元(約9億4281万円)に達した」と話した。
トップニュース
2024/7/4 |
||
2024/7/1 |
||
2023/10/5 |
||
2023/10/12 |