輸入博オンライン展示ホールにはどんな発見があるか


食品・農産物の展示エリア

「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)にスマートフォンを開くと、ショッピングサイトよりも訪れる価値のある場所がある。中国国際輸入博覧会の「オンライン展示ホール」で、1万2979種類の素晴らしい展示品が並んでいる。この1万3000種類近い展示品は一体どこから来たのか。

新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年は国際旅行をするのが大変になっているものの、世界122ヵ国地域の展示企業1399社は、万難を排して上海に駆けつけ、輸入博に出展した。

意外だったのは、今回も米国企業の展示品が最も多かったことだ。中米間の貿易関係にはここ数年、さまざまな波乱があったが、ビジネスはやはり確かなもので、米国メーカーの圧倒的多数が引き続き中国を無視できない市場と考えている。

米国の次に出展品が多かったのは日本、オーストラリア、香港地区、そしてフランスとなっている。いずれも中国にとって上位に並ぶ貿易パートナーだ。

「一帯一路」(the Belt and Road)の友情の輪からも90カ国が参加し、出展国全体の74%を占めた。

展示品の内容をみると、初めて中国大陸部に登場した展示品は2799種類に上り、全体の22%を占めた。

そのうち、食品農産物が最多で1232種類あり、全体の4割を超えた。次は衣類服飾品、ジュエリー、化粧品、ホーム製品家具などの消費財で768種類に上った。

食品農産物はもともと種類が多く、上位に並ぶのは容易に理解できる。しかし今回、新登場の3位になったのは、「体格」の大きな医療機器で579種類に上り、出展品に占める割合では最多だった。輸入博の会場では、医療関連の展示エリアが最も注目を集め、新設された公衆衛生防疫専用コーナーには世界の先進的な公衆衛生防疫分野の製品、技術、サービスが集められた。たとえば新型コロナウイルス感染症対策で重要な役割を担うマスク、医療用防護服、消毒殺菌用品をはじめ、検査診断に使用する検査キット、CT装置など、さらに救命治療で使用するECMO(体外式膜型人工肺)、人工呼吸器、救急集中治療室(EICU)関連製品などがあった。

技術装備出展エリアの出展品は871種類とそれほど多くないが、3つの展示会場をいっぱいに埋め尽くした。どれも「ネットの人気者」ばかりで、総重量87トンに達する巨大な工作機械、10億元(約158億円)の大型契約をまとめたばかりの航空機エンジン、乾式オフィス製紙機を組み込み紙循環を実現したプリンターなどがあった。

展示品1万2979種類の名称のキーワード分析を行ったところ、高頻度に登場するキーワードは「子ども」、「フェイスマスク」、「ワイン」などで、「蜂蜜」、「保湿」、「カプセル」もよく登場した。中国市場の子ども、栄養食品、化粧品、高級食品などの消費分野に、世界の出展企業が最も大きな期待を寄せていることがわかる。