夏のバンコクで時空を超え華人ビジネスマンが出会う
第十六回世界華商大会に参加して

大会は、卯年の夏至の日にふさわしく、会議の熱気、世界中から集まる意義や大きな未来を共に議論する期待の熱さが伝わってきた。しかしタイのバンコクで開催される第十六回世界華商大会は、そんな言葉ではとても言い表せない。大会の招待状を受け取り、重たい大会資料を手に取ったとき、記憶と感動が一瞬のうちに蘇った。

思い起こせば、世界華商大会は1991年、シンガポールで、祖国と中華民族を愛する華人ビジネスマンの同胞によって最初の種が蒔かれ、花が咲き、そこから世界の華人ビジネスマンによる「一大リレー」が始まった。世界華商大会は、中国の改革開放と対外交流提携の春風を浴びながら大きく発展し、世界各地の華人ビジネスマンの成長と進歩を目の当たりにし、風景は違っても同じビジョンを持つ「中国のイメージ」をとどめてきた。

時代の移り変わりの早さには驚くばかりだ。 世界華商大会はいまや16回を迎え、全盛期を迎えている。困難な時代に発展を求めて海外に渡り、不遇の時代や逆境の中で必死に生き抜いてきた華僑同胞たち、その勤勉な手腕で五大陸の中国人が次々に創造した成長の奇跡、さらに「同心円」をどんどん大きく描き、世界華商大会のような外国や外国人も絶賛する「作品」を生み出すとは、誰が想像できただろうか。世界華商大会の背後には、華人ビジネスマンの多彩な発展の歴史があり、複雑な思いがあるのだ。

東京からバンコクへの旅立ちは、3日間の旅程の正式なスタートである。心境を綴るため、そして展望するためにこの文章を書くことにした。

バンコクのトップは「われわれ華人ビジネスマンには力がある」と呼びかけた。タイといえばバンコク。ここに根付き、発展し、成長してきたタイ華僑は、バンコクに新たな次元と意味合いを与え、華人ビジネスマンの一大拠点として名を馳せ、世界中の華人同胞はタイの華人ビジネスコミュニティへの理解を深めた。ここバンコクで、タイとタイ華人ビジネス界が協力して今回の世界華商大会を開催し、2回目の「ホスト」として、数千人の華人ビジネスマンを世界中から集め、中国ビジネスの新たな強さを世界にアピールし、発展のための新たな内発的原動力を生み出した。タイの誠意とホスピタリティ、そしてタイの華人ビジネスマンの熱意とコミットメントに対しては、単なる感謝の言葉では到底足りないが、必ずや各界の交流と提携ブームに転化するだろう。このブームの背後には、特筆すべき「華人経済」があり、それはもはや世界経済において特別な位置を占める概念ではなく、すでに特別な「サプライチェーン」として世界経済においてかけがえのない役割を果たしている。この大会の開催を祝うにあたり、私はかつて流行した「古い」フレーズを使い、この会議のために「新しい」声を囁きたいという誘惑に勝てない。われわれ華人ビジネスマンには力がある!

 東京から世界へ、日本の華人ビジネスマンの新たな「成長の旅」。 日本中華總商会の初期メンバーの一人として、私は主催者の招待を受け、東京からバンコクまで150人以上の華人人ビジネスマンとともに、時空を超えたエキサイティングな旅に出た。日本中華總商会は20年以上の歳月をかけて成長し、会員企業は500社近く、日本のビジネスマンも20人以上にのぼる。特に特筆すべきは、世界中の「中華総商会」の中で、日本中華總商会は唯一、現地の日本企業を賛助会員として受け入れている団体であることだ。この寛容性、開放性、統合性により、日本における華人ビジネスマンは特別な知名度と影響力を持つに至っている。日本における世界華商大会の唯一の窓口として、日本の華人ビジネス界はこのイベントを「中華」の伝統をさらに発展させる機会と捉えている。タイの華人ビジネス界は、世界の華人ビジネス界が見習うべき貴重なモデルを提供しており、日本中華總商会は日本の華人ビジネスマンや同胞の期待と大きな希望を背負い、自身の経験、精神、成長の配当をバンコクに、世界の華人ビジネス界に、そして他の多くの国々にもたらすだろう。この大会は、日本の華人ビジネス界にとって、成長、発展、協力の新たな旅路となるに違いない。

華人ビジネスマンが「三人寄れば文殊の知恵」という世界において、新たなダイナミズムは必然だ。1980年代後半から1990年代前半にかけて、日本の著名な華人ジャーナリストである莫邦富氏が東南アジア各国を訪問し、中国語と日本語で『新華僑』という書籍を出版したことにより、日本社会に「華人経済ブーム」を巻き起こしたが、これはタイに代表される華人経済の発展を理解する上で有益であった。華僑の富と影響力は彼らの強みのひとつであり、活力の基盤でもある。タイの華僑の活躍は言うに及ばないが、マレーシアの中華総商会は、日本中華總商会の参加者が150人だと知らされると、即座に代表団を100人から180人へと拡大した。マレーシア華人ビジネス界は大真面目であり、単なるマウンティングではなく、華人ビジネスマンの力を結集したものであり、「三人寄れば文殊の知恵」の自信と熱意が感じられる。ネタバレしてしまうと、次回の世界華商大会は2年後にマレーシアで開催される。そして次回の世界華商大会も期待通り、十分な準備がされるだろうし、全世界の華人ビジネスマンの団結と努力によって、中国と中国人の活力を世界中に広げ、中国との交流と協力を深めている国や地域で新たな発展の可能性が生まれると信じている。

バンコク、それは時空を超えた華人ビジネスマンの出会いであり、中国から世界への新時代との出会いでもある。華人ビジネスマンはそれぞれ、汗と知恵で練り上げられたシナリオを持っており、各自それぞれの発展の物語を証明することになる。私たちは「シナリオライター」であると同時に「音楽家」でもある。華人ビジネスマンが新時代の一楽章を奏でるのを待つのみだ。