不動産の統一的登録を全面実現へ

自然資源部の王広華部長は4月25日に行われた全国自然資源・不動産権利確定登録活動会議で、「中国は不動産の統一的登録を全面的に実現する」と発表した。

今年は不動産の統一的登録改革の実施10周年を迎える。10年にわたる努力の末、分散から統一へ、都市の不動産から農村の宅地へ、不動産から自然資源へと、国土のあらゆる空間をカバーし、不動産のあらゆる物権を対象とした不動産の統一的登録制度が全面的に構築された。

中国は民法典を牽引とし、「不動産登録暫定条例」を中核とし、細則の実施、規範的操作、地方法規などに支えられた、不動産の統一的登録制度体系をほぼ形成した。

不動産権利証を

累計8億件近く発行

土地や建物などの不動産は企業と個人にとって、最も一般的かつ最も価値のある財産であり、不動産の統一的登録を通じて、財産権を明確にし、企業と個人の権利が損なわれないようにすることができる。

同部によれば、これまでに発行された不動産権利証は累計7億9000万件を超え、不動産登録証明書も3億6000万件を超えた。また2000以上の市・県が同時に電子権利証・証明書を3億3000万件以上発行した。

 

不動産の統一的登録では

何を登録するのか

「不動産登録暫定条例」に基づき、不動産の統一的登録では次のものが対象になる。▽集団土地所有権▽家屋などの建築物と構築物の所有権▽森林・樹木の所有権▽耕作地・林地・草地などの土地請負経営権▽建設用地の使用権▽宅地の使用権▽海域の利用権▽地役権▽抵当権▽法律法規により登録が必要なその他の不動産の権利。

 

不動産の統一的登録が

打ち出されると

不動産価格は下がるか

不動産の統一的登録は不動産価格の急落を招く可能性があると考えている人が多い。これについて関連分野の専門家が2018年の時点で、「不動産の登録制度が打ち出されても不動産価格に与える影響は想像していたほど大きくはない。というのも不動産の登録制度が不動産価格に直接影響するわけではないからだ」との見方を示していた。

中国農業大学土地資源管理学部の朱道林学部長は、「このたび中国が不動産の統一的登録を推し進めた理由は、これまで複数当局に分散していた登録を、1つのプラットフォーム、1つのシステムの一続きの証明書類に統合するためであり、不動産価格への影響はそれほど大きくないだろう」と述べた。

不動産価格自体はさまざまな要因の影響を受けるものであり、それには経済情勢、金融環境、需給関係、さらには関連政策などの影響が含まれる。

 

不動産の統一的登録は

不動産税に道を開くか

中原地産研究部の張大偉ディレクターは以前に取材に対し、「不動産登録システムが構築されれば、不動産税の推進ペースが明らかに加速するだろう。不動産の統一的登録制度は、全国の不動産の住宅情報ネットワーク化を推進する上でプラスになり、不動産税の全面徴収に向けた条件を提供するからだ。不動産の統一的登録が実現すれば、不動産税の推進における主な技術的障害は消滅する」との見方を示した。