「後半戦」に突入した中国の都市化

中国国家発展改革委員会を含む19当局は最近、共同で「貧困脱却のための大型移住先を新型都市化に溶け込ませ、質の高い発展実現を促進することに関する指導的意見」を発表した。

農業転移人口の

市民化を加速

多くの貧困者支援のために建設された移住先住居と所在する都市部との一体化建設発展を促進するということは、移住を含めた貧困脱却の取り組みの成果を強化するために必要な対策となる。

都市化は現代化実現に向けて避けては通れない道だ。中国共産党第20回全国代表大会報告は、「新型都市化戦略実施を深化させ、人を中心とした新型都市化を推し進め、農業転移人口(農業を辞めて都市部に出た人)の市民化を加速させる」としている。

公平な社会と

共同浮遊を促進

中国のような人口が非常に多い発展途上国が都市化を実現するというのは、人類の発展史においてまだ前例がない。新時代の10年(2012-22年)、中国は人間本位で、配置が最適化され、生態文明を守り、文化を継承する中国の特色ある新型都市化の道を歩むよう取り組んできた。

この都市化の新たな道は、内需の巨大なポテンシャルを引き出すのに有利で、労働生産率を高め、都市と農村という二元的構造を打破し、公平な社会と共同富裕(共に豊かになる)を促進することができるだけでなく、世界経済や生態環境にも益が及ぶ。

都市は、質の高い発展を実現するうえで重要な役割を果たす。経済・社会の発展にエンパワーメントするためには、都市化の空間配置や形態を最適化し続けなければならない。

都市群や都市圏が、経済や人口受け入れ能力を増強し、地域の発展を牽引する面で重要な役割を果たすだけでなく、小都市部を分類してその分類ごとに発展を導き、県域経済を発展させ、「大都市病」が解決されるように取り組まなければならない。

中国の都市化は成熟期に

中国の都市化は現在、「後半戦」に突入しており、都市化が急速に進む後期から成熟期へと移り変わるカギとなる段階に入っている。

都市群や都市圏を中心に大・中・小都市が調和よく発展する構造を作り出し、県の行政中心地を重点とする都市化建設を促進することは、将来の都市化事業の重要な方向性になっていると同時に、経済の質の高い発展にとって尽きることのない原動力にもなっている。

中国各地は近年、効率的かつきめ細やかなガバナンスを通して、都市の「代名詞」を積極的に作り出している。都市化建設には、「外延型拡張」と「内包型発展」の両方が必要で、発展の途中で直面する問題を解決すると同時に、さまざまな人々の多様化したニーズを満たす必要もある。

 

新型都市化の核心は

人の都市化

新型都市化の核心は、人の都市化だ。都市部で安定して働き、暮らす能力のある農業転移人口の市民化実現を促進するというのが、新型都市化において最も重要な任務となる。

この10年間で、中国では農業転移人口とその他の常住人口合わせて1億3000万人が都市部に戸籍を移した。農業転移人口の市民化を継続的に推し進めるためには、戸籍制度改革を深化させ、彼らが都市において戸籍を取得できるようにしなければならない。

また、教育や医療といった公共サービスを整備し、彼らをつなぎ留めなければならない。そして、彼らの労働面での資質やスキルを向上させて、キャリアアップできるようにしなければならない。

生活空間の変化や戸籍上の変化、仕事内容の変化、ライフスタイルの変化などに順応でできれば、農業転移人口は本当の意味で新しい環境に溶け込み、新しい生活をスタートさせることができる。

そのような変化には奥深い意味合いがある。新中国成立(1949年)当時、常住人口の都市化率は10.6%にとどまっていたが、2022年には65.2%にまで上昇した。かつては「田舎」だった中国は今、都市化された中国へと変化している。