ネットで大人気の観光地・成都
重慶市が延べ113億6000万回、西安市が89億1000万回、成都市が88億8000万回、これはショート動画アプリの抖音(Tik Tok)が発表した最新の2018年都市イメージショート動画再生データで、北京・上海・広州を抑えたのはこれらの西部都市だった。また武漢市や長沙市など中部都市もかなり上位にランキングされた。
魅力度アップ
重慶のビルを突き抜けて走るモノレールやオドロキの8D立体交差、西安の盃割り、成都のグルメなど、もともと再生回数の多い動画は多くの観光客や市民がネット上で自発的に拡散し、共有されてきた。地方政府はこの勢いを利用して、積極的にニューメディアを活用して都市についてのストーリーを発信し、相乗効果で「ネットで人気の都市」を作り上げた。
都市イメージの向上がもたらす最も直接的な効果は、文化観光産業の成長だ。
統計によると、今年の「五一」(メーデー)連休期間中、重慶の観光収入総額は前年同期比33.5%増となる200億元(約3130兆円)に達した。今年3月から、重慶は半年にわたる区・県「文化・風景をネットに発信」大型文化・観光アピールキャンペーンを始めており、ソーシャルメディアなどを使って「山水の城」重慶の景観と風格を発信している。
西部の国家中心都市である成都では、「三城三都」アクションプランを打ち出し、先進的製造業や現代サービス業、融合産業、都市現代農業などをカバーする産業機能区66ヶ所を全市で計画・建設している。
若者を引き留める
ヒット曲「成都」が、「小さなバー」を文芸青年にとって憧れの場所にし、「串おでん」が、食いしん坊たちをすっかり魅了して去りがたい気持ちにさせ、一頭の「パンダ」が、「パンダファン」たちをこの天府之国に殺到させている。これらの「ネットで人気」の原因になった要素は、毎回の話題作りに貢献すると同時に、多くの人に成都での生活を快適で心地良く感じさせている。四川大学の新卒者である李春波さんもその一人だ。
「私は北方地域の出身だが、成都で4年間大学に通ううちに、今では離れられなくなってしまった」と李さんは言う。成都では、ハイテクエリアの一晩中明かりの消えないオフィスビルを目にすることもできれば、公園のにぎやかな茶館を体験することもできる。スピーディーさもスローさも適度にある状態が好きだったため、李さんは現地のハイテク企業への就職を決め、成都に根を下ろそうとしている。
恒大研究院が発表した最新の報告書によると、2015年から2018年までに、西安や成都、武漢などの都市圏の年平均常住人口増加数はいずれも20万人を超えている。2018年、西安の常住人口は38万7000人増加し、人口1000万都市の仲間入りを果たした。求職サイトの獵聘が発表した「2019年人材将来性趨勢ビッグデータ報告書」でも、西安、成都、武漢はいずれもミドル・ハイエンド人材の純流入率トップ10に入っている。
大学の多い武漢では、2017年にはすでに「百万大学生武漢引き留め起業就業プロジェクト」を始動させている。「光谷」と呼ばれる武漢東湖高新区では、2017年に大学生政策が実施されてから2019年第1四半期までの間に、計23万8300人の大学生を武漢に引き留めることに成功した。現在、「光谷」の企業で働く博士だけで1万人を突破しており、この人数は十年前の5倍に達している。
特別なデザインで大人気の重慶の書店
ニューエコノミーを盛んに
統計データから見て、多くの中西部の「ネットで人気」の都市はGDPがすでに1兆元(約157兆円)を突破しており、経済規模的には沿海部の発達都市とたいした違いがなくなっているが、産業構造と経済活力では依然として開きがある。「ネットで人気」の都市はさらに革新とモデル転換を加速させ、都市の中身を豊かにしていく必要がある。
武漢には「インターネット+」弁公室があり、成都には全国初のニューエコノミー発展委員会がある。ここでは管理モデルの革新を通じて、政府と市場が互いに協力し合い、共にニューエコノミーの発展と拡大を後押ししている。
成都高新区ニューエコノミー発展局功能区建設推進処責任者の鄧毅氏は、「我々はニューエコノミー企業の段階的育成計画を策定し、企業をシード企業、ガゼル企業、準ユニコーン企業、ユニコーン企業、業界リーダー企業に細部化し、『マンツーマン』サービスを展開している」と語った。
「重慶都市圏は内陸開放の重要都市だが、産業同質化とイノベーション能力不足が弱点」と恒大研究院の報告書は指摘している。「ネットで人気」の状態を長く続けるには、イノベーションにしっかりと取り組むことが基盤になる。今年第1四半期、重慶では新エネルギー車や電子デバイスなどの産業が勢いよく成長しており、新産業と新原動力の比較的速い成長が重慶の「ネット人気」のクオリティがさらに高め、内容をより豊富にしていくだろう。
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