日本の暗号資産に関する法制度ガイド その58

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、金融商品取引法の業務取扱関係の自主規則として、暗号資産関連デリバティブ取引業に関する業務規程、デリバティブ関連取扱暗号資産に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る顧客の管理及び説明に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る受注管理体制の整備に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る不公正取引等の防止に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る暗号資産関係情報の管理体制の整備に関する規則・ガイドラインなどの7つの規則を規定しております。

 今回は認定協会の「暗号資産関連デリバティブ取引業に係る受注管理体制の整備に関する規則・ガイドライン」(以下「受注管理規則」という)を紹介します。

 

  • 社内規則の制定

 「受注管理規則」第2条によると、会員は、取引の受注管理に関して、以下の事項について規定した社内規則を定めなければなりません。

(1) 顧客による不適切な注文の排除に関する事項

(2) 役職員による不適切な注文受付及び約定処理の排除に関する事項

(3) 取引の決済代金又は決済に用いる暗号資産の受領に関する事項

(4) 注文受付時における注文内容の確認に関する事項

(5) 注文の受発注制限に関する事項

(6) 注文の受発注制限の解除に関する事項

(7) 表示価格及び約定価格の生成等に関する事項

(8) 約定処理に関する事項

(9) 受注管理に関する業務に係る適切な人員配置及び研修等に関する事項

(10) 受注管理体制の監査に関する事項

(11) その他会員が必要と認める事項

 

  • 発注制限

 「受注管理規則」第 11条によると、会員は、顧客からの注文に関し、次の各号に掲げる制限について、会員において適切と認められる水準をあらかじめ設定するなど適正な受注環境を維持するために 必要な措置を講じなければなりません。

(1) 一定の規模を超える注文について、発注を不可とする制限

(2) 一定の規模を超える注文について、発注を行う前に管理者(次項に規定する管理者をいう。)による発注制限の解除に係る承認を必要とする制限

 また、会員は、前項第2号の注文の発注制限の解除の承認を行うことができる者(以下「管理者」という。)を設置しなければなりません。管理者は、顧客からの注文の内容について確認の上、適切と判断されるものでなければ、第1項第2号に規定する発注制限の解除を承認してはなりません。

また、「受注管理規則」において、約定処理、取引価格、受注受付などの停止に関する詳細な規定も設置されております。