「ウィンタースポーツ経済」で豊かになる農家

ここ数年、吉林省はウィンタースポーツ産業の発展に力を入れ、「暇な冬」だったのが、「忙しい冬」に変えている。「ウィンタースポーツ経済」は現地の農村振興の新たなエンジンとなり、村民たちが雪の資源の活用によって豊かさを実現するためのルートを広く開拓しつつある。

吉林市発展試験区の北大湖スキーリゾート

農家楽(農家の生活を

体験できる民宿)を経営

吉林省吉林市永吉県北大湖鎮南溝村では今年、村民の于淑芬さん(53)が農家楽(農家の生活を体験できる民宿)を経営して12年目を迎えた。

現在、吉林市ウィンタースポーツ経済質の高い発展試験区の北大湖スキーリゾートに近い南溝村にはレストランと宿泊施設が100軒あまりあり、民宿のベッド数は1700床を超え、現地の村民の収入増加を牽引した。

宿泊客のために鉄鍋で食材の下準備をしている于淑芬さん

張占華さん(38)は吉林市永吉県北大湖鎮官地村の村民だ。冬の農閑期を利用して、2016年から市内の万科松花湖リゾートでスキーのコーチをしている。

吉林市永吉県口前鎮に住む李連国さんは農家だ。2021年冬、吉林市ウィンタースポーツ経済質の高い発展試験区の北大湖スキーリゾートスキー場運営部のロープウェー技術者に応募して、スキー場のロープウェーの運営・点検・メンテナンスの仕事をするようになった。冬に収入を増やす「新たな稼ぎを見つけた」と李さんは言う。

ロープウェーの運行状況を点検する李連国さん

吉林省の万科松花湖リゾートで受付の仕事をする王爽さんは、スキー場の山裾にある豊満区段吉村に住んでいる。3年前に都市での仕事をやめて、自宅からわずか7キロメートルのスキー場で働く道を選択した。王さんは「ウィンタースポーツ産業には大きな将来性があるので、私たちは故郷で働くことを選んだ」と話した。

吉林市の万科松花湖リゾートの受付で観光客に応対中の王爽さん