民音が中日国交正常化50周年の掉尾を飾る祝賀公演
友誼の「金の橋」は燦然たり

高く輝く満月と満天の星。舞台の絶妙な光と影の効果によって、観客はまるで天の川に身を置いているような感覚を覚える。12月12日、一般財団法人民主音楽協会(以下、民音)が主催する、中日国交正常化50周年の祝賀公演「Flower~響き合う文化の華」が上演された。

創価学会の池田大作会長(当時)によって1963年に創立された民音は、今や日本を代表する音楽文化団体であり、世界の各国・民族との間に友誼の金の橋を架けてきた。

民音の活動は多岐にわたる。西洋の古典音楽、西洋のポップミュージック、伝統歌謡、舞台芸術の公演のほか、世界各国の文化団体と交流し、国際的なコンクールを主宰するなど、民間友好、音楽交流、人材育成、情操教育に力を注ぐ。

中国駐日本大使館の孔鉉佑大使からは、次のような祝賀のメッセージが寄せられた。「民主音楽協会は創設以来、中国など世界各国との音楽や芸術を通じた文化交流と友好往来に積極的に力を尽くし、世界の平和・発展を促進してこられました。1975年の北京芸術団の招聘の後、中国各地の京劇院、雑技団、歌舞団、演劇団などを相次いで招き、さらに日本の芸術グループを中国に派遣して、中日両国人民間の相互理解を促進し、中日文化交流分野の友好のエピソードとなっています。公演には、両国の多くの有名な芸術家や音楽家が集結しており、中日国交正常化50周年にあたってこの公演が開催されることは、中日文化の相互学習の促進と両国間の文化交流の増進にとって大きな意義があります」。

民音の伊藤一人代表理事は、中日国交正常化50周年に花を添えることができた喜びを次のように述べた。「『源遠ければ流れ流し』――この言葉のように、中国と日本は、2000年におよぶ交流の歴史をもち、これまであらゆる文化の往来がありました。長い年月の中で様々な困難に直面することがありましたが、文化芸術による交流は、多くの先人の力によって途絶えることなく現在まで行われてきました。民音も1975年以来、弛むことなく中国との文化交流を重ね、日本各地に日中の友誼の「華」を咲かせてまいりました。今回の公演では、日中両国のアーティストによる共催を通してこうした歴史を辿りながら、新しい日中交流の時代を開くとの意を込めたパフォーマンスをお届けいたします、本公演を通して、両国の友好をより一層深め、相互理解を促進する一助となりますことを念願しております」。

第一部の幕がゆっくりと上がる。ステージ上には、ラクダのキャラバンが敦煌の砂漠を横切るシーンが浮かび上がった。月明りの下で、遥かなシルクロードへ思いを馳せる。莫高窟の壁画に描かれた飛天が優雅に舞い降り、人びとを魅了する。

明治大学教授で京劇研究者である加藤徹氏は次のように述べている。音楽のすばらしい点は、国境がないことであり、日本の伝統楽器は中国起源のものが多い。

例えば、雅楽の琵琶や篳篥(ひちりき)は古代西域から伝わり、シルクロードを経て中国に入り、遣唐使によって日本にもたらされた。日本の代表的な楽器である三味線、尺八、十三弦筝(いわゆる「お琴」)も中国発祥であり、現代の中国の三弦、洞簫、古筝と兄弟の楽器である。

中国の二胡の「胡」は外国を意味し、そのルーツは、昔、万里の長城より北に住んでいた異民族の弦楽器である。千年以上の歳月をかけ、中国の人びとはこの楽器に心血を注ぎ、中国の伝統楽器となった。

姜小青の古筝、賈鵬芳の二胡、王明君の笛子、劉丹の琵琶、浅野祥の津軽三味線、佐藤公基の尺八の共演は、あたかも2000年にわたる中日両国の文化芸術交流を体現しているかのようであり、互いを補い合っているようであった。ヒップホップダンスとのコラボレーションは、耳目を一新し、斬新さに満ちていた。

著名な舞踊家であり書道家としても活躍する張屹が、華麗な舞と書道のパフォーマンス「佳人天翔(天翔ける佳人)」を披露すると、満場の喝さいを浴びた。

第二部では、民音のオーケストラをバックに、著名な歌手である島田歌穂と藤岡正明が星と月に照らされながら、『ラストエンペラー』『リンゴ追分』『夜来香』『蘇州夜曲』『月亮代表我的心~永遠の月~』『星に願いを』『銀河鉄道999』『桜花縁』等、中日の名曲を披露し、友誼と真情の込もった優美かつ勇壮な楽曲と歌声が、静かに観衆の共鳴を呼んだ。

フィナーレでは、男女の合唱による『昴』が披露された。本公演は、中日国交正常化からの50年さながら、複雑多岐で、数多くの感動があった。祝賀公演は終わったが、友誼の心は永遠である!

中日国交正常化50周年の掉尾を飾った民音公演に心から感謝申し上げたい。次の50年も、金の橋の輝きが褪せることはない。