佐賀県とデジタル田園都市国家構想 官民事業交歓会を開催
デジタル田園都市国家構想応援団イベント佐賀
~「日本のデジタル社会へ向けての課題と展望」その21~

8月26日(金)、私が代表理事を務める一般社団法人デジタル田園都市国家構想応援団イベントを佐賀県の協力を得て開催しました。働き、学び、暮らす地域からデジタルの実装を進め、新産業を生み出す「デジタル田園都市国家構想(デジ田)」の実現に向けて、地域資源を内外から発掘し、3つの不(不利・不便・不安)の解消により地域課題を解決する新産業を産官学民で共創、点を線や面にして世界と繋がる「デジ田ローカルハブ」に挑戦する官民事業交歓会を下記のとおり開催しました。

 

山口祥義佐賀県知事の挨拶

 佐賀県は新しい時代を創る時に活躍する人材を輩出してきたところです。例えば、明治維新の時に、江藤新平は、社会システムの構築に尽力しました。教育を全国民へ向けての学制制度改革、庶民のための裁判制度を創りました。また、科学技術面では、薩長土肥と言われますが、佐賀県の果たした役割は大きく、日本初の蒸気船の開発、大砲開発に成功し、幕府の台場の大砲整備に貢献しました。佐賀という土地は、社会システムと技術開発が起こるところなので、「明治維新の時、日本は佐賀を見ていた、佐賀は世界を見ていた」と言えます。今回は、17年以上の付き合いの藤原洋さんが代表をされているデジタル田園都市国家構想応援団との共催イベントを開催できることを大変嬉しく思います。

藤原洋(一社)デジタル田園都市国家構想応援団代表理事としての挨拶

 山口知事が指摘されたように今回のイベントを新しい時代を創ってきた佐賀県で開催できることを大変意義深く、嬉しく思います。今回は、デジタル田園都市国家構想の実現へ向けて佐賀からローカルHUB実現へ向けて議論してみたいと思います。また、同社団法人としては、デジタル人材、特に、地域DXプロデューサーの育成について取り組んでいきたいと思います。

野村総合研究所による講演

 高度成長期の日本では、長年、量・規模の時代が続き、大都市でないと経済は発展しない、すなわち、1人当たりGDPは比例すると考えられていました。しかし、1人当たりGDPと人口は比例しないことが分かってきました。一例としてドイツと山形県鶴岡市の取組を紹介します。

●佐賀県で活動する官民から以下の6分野のプレゼンテーションが行われました。

スポーツDX/美と健康DX/農業テロワールDX/新産業DX/地域資源まちづくりDX

●藤原洋代表理事としての総評

 今回は、ローカルHUBという考え方について、量・規模の時代から質の時代、1人当たりGDPを上げるためのローカルHUBの考え方に基づいて、スポーツDX、美と健康DX、農業テロワールDX、新産業DX、地域資源まちづくりDXについて、大変有意義な議論ができたと思います。人口規模は小さくても強みを活かして直接世界を市場として繋がっていくいくつかの事例とビジョンを共有できたと思います。

おわりに

あくる日は、本シンポジウムを踏まえて、この私と山口知事と村井純慶應義塾大学教授と鼎談会を行いました。

プロフィール

1954年、福岡県生まれ。京都大学理学部(宇宙物理学科専攻)卒。日本アイ・ビー・エム株式会社、日立エンジニアリング株式会社、株式会社アスキー等を経て、株式会社インターネット総合研究所等を設立し、現職。96年、東京大学より工学博士号を取得。現在、SBI大学院大学学長、東京大学大学院数理科学研究科連携客員教授。