中国人高齢者に海外旅行が人気


ラオスの自然風景

毎年冬になると、北方に暮らす高齢者たちは寒さと煙霧を避けるため、国内でトップクラスの空気のきれいさを誇る海南島に出かける。昨年、海南島からカンボジア、ラオスなど東南アジア諸国に向かうチャーター便航空路線が複数開通したことにより、「渡り鳥高齢者」の間でさらに足をのばした海外旅行が徐々に人気を集めている。

2016年7月から、海南島を出発するチャーター便路線が次々に開通し、海南島とカンボジア、ラオスとの間の観光、経済貿易往来、人材交流などが促進された。これと同時に、海南島の複数の旅行会社が高齢者向けの観光ルートを構築し、海外旅行は今やレジャーを楽しむ若い人々の「専売特許」ではなくなった。

山東省から海南島にやってきた72歳の「渡り鳥」・劉福成さんは、1月1日に開通した海口―ビエンチャンのチャーター便に乗り、ラオス旅行に出かけた。これまで10年間で87カ国・地域を旅したという劉さんは、「世界各地をこの目で見ると、人や文化の様子も、自然の景観も、どれも頭の中身を豊かにしてくれるし、問題や社会や人生をより深く考えさせてくれる」と話す。

同じチャーター便に乗っていた海南発の団体ツアーは、退職した高齢者が参加者の3分の2を占めていた。高齢者の多くは家族や同郷の友人たちと一緒にツアーに参加するため、ツアーの規模はかなり大きい。

ラオス唐人旅遊公司のガイドの朱耀平さんは、「うちの会社で昨年受け入れた中国からの団体ツアーは上昇の一途をたどり、高齢者の団体が特に多かった」と話す。

ラオスの各都市にある中国料理店は中国人観光客に大人気で、ビジネスチャンスに満ちている。

ラオス中部のヴァンヴィエンは、ラオス南北を行き来する際の「中継ステーション」であり、ドライブ旅行やバックパッカーがよく訪れる観光地でもある。ここに中国料理店を開いた広西チワン族自治区出身の曾小紋さんは、「昨年、中国とラオスを結ぶ鉄道の工事が始まったことで、ヴァンヴィエンのサービス業が発展した。鉄道が開通すれば、相対的に安定した中国の旅客資源が観光で(ラオスを)訪れるようになる」と予想する。

中国人ビジネスマンの李小平さんは、「ラオスでは今、中国語ニーズが高く、ビエンチャンで中国語を勉強するクラスを開講した人もいる。空港の入国書類の記入見本にも中国語のものがある。中国人のラオスへの理解が深まれば、将来的には観光ニーズや投資発展ニーズが拡大し、自分の経営する店の旅客資源もますます多くなるだろう」と今後の発展に期待を寄せる。