パンダは600万年前から竹を食用「第六の指」の化石が証明

中国と米国の科学者は早期ジャイアントパンダの「第六の指」の化石の研究により、パンダが竹を好んで食べる歴史が少なくとも600万年にのぼることを発見した。同成果はこのほど、国際的な学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

その他の哺乳類の前肢は五本指を持つのと異なり、パンダにはさらに「第六の指」がある。これは手の先端にある出っ張り、「橈側種子骨」のことだ。1本多く生えた「指」のようで、パンダはこれにより竹を握り、つかむことができるようになった。

雲南省昭通盆地水塘壩のパンダの祖先である「原始パンダ」の化石の研究により、古生物学者は今から600−700万年前の原始パンダにすでに「第六の指」があったことを発見した。現代になってもこの「第六の指」はさらに大きくなることはなかった。

中国科学院昆明動物研究所の吉学平研究員によると、パンダはクマ科の特殊なメンバーで、すでに草食動物に変化している。歯で竹を裂く時にしっかり竹を握るのが、「第六の指」の最も主要な機能だ。

研究成果によると、パンダの「第六の指」は人類の親指のようにそれだけを動かすことはできない。関節を固定することで第1中手骨と舟状骨との複合体になり、その他の手の骨と連動する。受動的に物をつかむが、パンダに竹を食べるのに十分な握力を提供できる。

専門家によると、橈側種子骨の増大はパンダが竹を食べるための適応的進化だ。「第六の指」がさらに伸長しなかったのは、竹をつかみ体重を支える機能を同時に果たすためであり、大きすぎれば歩行に影響を及ぼしてしまう。吉氏は、「そのため第六の指はちょうど良い大きさに進化した」と述べた。

パンダ（B、D、E）、原始クマ（A）、人類（C）の手の比較。（画像提供は王暁鳴）

中国科学院古脊椎動物・古人類研究所、中国科学院昆明動物研究所、米ロサンゼルス自然史博物館が共同で同研究を行った。