日本の暗号資産に関する法制度ガイド その59

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、金融商品取引法の業務取扱関係の自主規則として、暗号資産関連デリバティブ取引業に関する業務規程、デリバティブ関連取扱暗号資産に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る顧客の管理及び説明に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る受注管理体制の整備に関する規則・ガイドライン、暗号資産関連デリバティブ取引業に係る不公正取引等の防止に関する規則・ガイドライン、 暗号資産関連デリバティブ取引業に係る暗号資産関係情報の管理体制の整備に関する規則・ガイドラインなどの7つの規則を規定しております。

 今回は認定協会の「暗号資産関連デリバティブ取引業に係る不公正取引等の防止に関する規則・ガイドライン」(以下「不公正取引防止規則」という)を紹介します。

 

  • 社内規則の制定

 

 「不公正取引防止規則」第3条によると、会員は、不公正取引の防止に関して、以下の事項について規定した社内規則を定めなければなりません。

(1) 不公正取引の類型に関する事項

(2) 取引審査の業務を担当する部門並びにその権限及び責任に関する事項

(3) 顧客の取引動向及び取引動機等の的確な把握に関する事項

(4) 取引審査を行うに当たり参考とすべき情報に関する事項

(5) 取引審査の対象となる顧客又は取引の抽出に関する事項

(6) 取引審査の方法及び判断に関する事項

(7) 取引審査の結果に基づく措置に関する事項

(8) その他必要と認められる事項

 

  • 不正行為などへの対応

 

 「不公正取引防止規則」第 7条によると、会員は、不正行為等に関する情報(他社の提供する取引における不正行為を含む。)を入手した場合、当該会員の顧客に当該不正行為等を行った者が含まれているか検索しなければなりません。会員は、この検索の結果、該当する顧客を検知した場合には、当該顧客による 不正行為等の重大性・悪質性等を考慮の上、当該顧客に対する注意喚起又は当該顧 客との取引の停止など、適切な措置を講じなければなりません。

 

また、「不公正取引防止規則」において、架空名義取引等の禁止、虚偽表示等の禁止、ノミ行為の禁止、無断取引の禁止、利益供与等の禁止、遅延行為等の禁止、不正取得の禁止、名義貸しの禁止などの会員の禁止行為に関する詳細な規定も設置されております。

次回へ続く