翁道逵 ベリーベスト法律事務所(中国弁護士)
日本の暗号資産に関する法制度ガイド その88

一般法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、金融商品取引法関連自主規制規則として、業務取扱関係、顧客財産管理・システム安全管理等、勧誘・広告、AML/CFT・反社会的勢力対応、事故確認申請、苦情・紛争解決、従業員服務、外務員登録等、金融商品仲介業者などを規定しております。

今回は認定協会のAML/CFT・反社会的勢力対応の「暗号資産等関連デリバティブ取引業に係る反社会的勢力との関係切断に関する規則」(以下「反社切断規則」という)を紹介します。

反社の定義

「反社切断規則」第2条によると、「反社会的勢力」は以下の各号に掲げる者をいいます。

イ 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。)

ロ 暴力団員(暴対法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。)

ハ 暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等(暴対法第2条第1号に規定する暴力的不法行為等をいう。以下この条において同じ。)を行うおそれがある者、又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力する者のうち暴力団員以外のものをいう。)

ニ 暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業であって暴力団に資金提供を行うなど暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し、若しくは関与するもの又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)

ホ 総会屋等(総会屋、会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

ヘ 社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

ト 特殊知能暴力集団等(イからヘまでに掲げる者以外のものであって、暴力団との関係を背景に、その威力を用い、又は暴力団と資金的なつながりを有し、構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)

チ その他前各号に準ずる者

リ 次の各号のいずれかに該当する者

  1. 暴力団員等が経営を支配していると認められる関係を有する者
  2. 暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者
  3. 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者
  4. 暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有する者
  5. 役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者

 

反社でない旨の確約

「反社切断規則」第5条によると、第一種会員(デリバティブ)は、初めて顧客との間で暗号資産等関連デリバティブ取引を行おうとする場合は、あらかじめ、当該顧客から反社会的勢力でない旨の確約を受けなければなりません。

また、第一種会員(デリバティブ)は、前項の確約を受ける場合は、書面又は電磁的記録により、これを受領するものとします。

ちなみに、上記の規定にかかわらず、初めて暗号資産等関連デリバティブ取引を行おうとする顧客が、第一種会員(デリバティブ)が行う他の金融取引を行うための口座を開設しており、当該口座開設時に上記に相当する措置を講じている場合は、同項の確約を受けたものとみなします。

次回へ続く