観光客を「参加者」に――進化するレッドツーリズム

近年、革命の歴史をたどる「レッドツーリズム」が新たな段階へと進化している。かつては一方通行の学びの場として位置づけられていたが、現在では体験や対話を重視した多元的な観光スタイルへと変化しつつある。とりわけ若い世代の間で関心が高まっており、これは歴史的記憶や祖国への思いが若者たちの心に深く根づいていることの表れである。

体験で深まる共感
――進化する「赤い旅」

こうしたレッドツーリズムの新たな形は、現代人の旅行ニーズにも対応している。人々が単に「山や水を眺める」だけの観光から卒業し、心の充足を求めるようになるにつれ、目的地では知識を与えるだけでなく、感情的な共鳴や価値観の共有といった体験の提供が重視されるようになっている。

多くの観光地では、歴史文化資源を「ネット映え」する要素へと巧みに転換し、短編動画やSNSを通じて「赤い文化」に新たな魅力を与えている。たとえば革命の聖地においては、VR機器を用いて長征の苦難を仮想体験できるほか、スマートフォンでQRコードを読み取ることで、歴史的遺物の語りを聴くことも可能である。また、文創ショップ（文化創造型の土産店）では「火種（星火）」をモチーフとしたバッジなどが販売されており、訪問者は身近な形で歴史との接点を持つことができる。こうした生き生きとした観光商品が、「歴史の臨場感」を呼び覚まし、人々が現代的な手法で革命の先人たちと時空を超えて対話するきっかけとなっている。

レッドツーリズムが今後も持続的な魅力を保つためには、展示中心の形式にとどまらず、多くの人々の共感を呼び起こす「人間の物語」を発掘し、歴史の現場を臨場感あふれる形で再現することが求められる。壮大な歴史を、具体的な命の物語として体感できる仕掛けが重要である。

あわせて、個別のニーズに応じた体験の高度化も不可欠である。デジタル技術の導入や周辺観光資源との連携によって、観光の没入感と一貫性を高め、観光客が「傍観者」から「参加者」へと変わっていくような工夫が求められている。

誇りを胸に歩む「赤い旅」

このようなレッドツーリズムの発展の背景には、民族の歴史と文化に対する強い自信が社会全体に根づいてきたという事実がある。「赤い旅」への一歩は、すなわち歴史をたどる行為であり、各地の史跡を訪れることそのものが、先人への敬意の表明となる。そして、こうした史跡の数々が「生きた教室」として機能することで、訪問者により深い没入体験をもたらす。

今後、より多くの人々がこの新しいかたちのレッドツーリズムに魅了され、「赤い文化」の継承と普及が一層力強く進んでいくことが期待される。