三十年の書画交流  書画が心を伝える
第30回「日中書画篆刻交流展」が愛知美術館で開幕

7月13日、30年の歴史を誇る文化の祭典「日中書画篆刻交流展」が、愛知県美術館で幕を開けた。盛大な開会式でのテープカット、上海市対外文化交流協会のアーティストとの交流、そして多くの来場者の姿により、今回の展覧会はひときわ印象深いものとなった。

今年は日中韓文化交流の年にあたる。第30回「日中書画篆刻交流展」のオープニングセレモニーでは、中国駐名古屋総領事館の季文斌副総領事、愛知県の牧野利香副知事、名古屋市観光文化交流局の佐治独歩局長、上海市対外文化交流協会の朱岱松会長特別代表などの来賓が、熱意あふれる挨拶を述べた。続いて、愛知県議会の木藤俊郎議員、中部日本書道会の後藤汀鶯常任顧問、『人民日報海外版日本月刊』の鄭興代表、日中書画篆刻交流会の胡永華会長が、展覧会のテープカットを行い、華やかに開幕を飾った。

日中両国は一衣帯水の隣国として、古くから文化交流を重ねてきた。30年の歴史を誇る「日中書画篆刻交流展」は、両国の芸術家による傑作を紹介する場であると同時に、文明をつなぐ架け橋としての役割も果たしてきた。今回の展覧会では、徐龍宝教授、蘇岩声教授、馬亜平副教授が、それぞれ独自のスタイルによる版画の傑作を披露し、新たな息吹をもたらした。

さらに、中国書協会会員の周思言氏、上海書協会会員の印在野氏による迫力ある書の作品、中国美術協会会員の邵黎陽、陶正、張翔氏、上海美術協会会員の陸珠薈氏らによる色彩豊かな新作が来場者の高い評価を受けた。朱衛、陸珠薈、王復氷、王琦芬、楊明月、殷縁らの含蓄に富んだ作品もまた、新鮮な印象を与え、多くの来場者が足を止めて見入っていた。

「日中書画篆刻交流展」は、在日書家・胡永華氏が創設した日中文化交流事業であり、1996年から30年間にわたり継続して開催されてきた。日中関係が揺らいだ時期や新型コロナウイルス感染症の拡大といった困難を乗り越え、中断されることなく続けられてきたこの展覧会は、両国の芸術家同士の相互訪問と交流の場ともなってきた。

日本の人々にとっては、中国の急激な変化や改革開放の成果を肌で感じる機会となり、中国の芸術家にとっては、日本の民族文化や芸術の多様な流派を理解する貴重な契機となった。こうした取り組みは、海外で活動する華人が困難に屈せず、中華文化の普及と民間交流の促進に力を尽くす強い意志と信念を体現している。胡氏のたゆまぬ努力は、日中両国の各界から高く評価されている。

今回の交流展では、過去の歩みに敬意を表しつつ、未来への期待を込めて、書画と篆刻の魅力を通じて日中文化交流の新たな章を共に綴っていきたいという思いが込められている。また、胡永華氏はその功績により、名古屋市から観光文化交流特命大使に、上海市対外文化交流協会からは海外理事に任命された。

展覧会の開会式には、日本書道篆刻研究団体・白圭社の丹羽常見会長と小坂克子副会長、上海市対外文化交流協会の周俊プロジェクト主管、謙慎書道会の高橋京子理事、名古屋中国春節祭実行委員会の陳秋揚委員長、読売書道会の楯多恵子参与、朝日文化学院の鄧雪宏副理事長、中部日本書道会の鈴木志津子評議員、名古屋華助センターの董剛副主任、創価学会中部広報部の平松和朗部長、日本中部上海経済文化促進会の孫焱会長らが出席した。日中両国の各界からは、100名を超える来賓が集まり、盛大な式典となった。

展覧会では、後援団体によって優秀作品への表彰も行われ、中国駐名古屋総領事賞、愛知県知事賞、名古屋市長賞、愛知県・名古屋市教育委員会賞、中日新聞社賞、東海テレビ賞、『人民日報海外版日本月刊』賞などが授与された。また、日本の五大メディアの一つである『中日新聞』も、本展の模様を報道した。

祝賀レセプションでは、著名なテノール歌手・包金鐘氏が美しい歌声を披露し、30周年を記念する本展の祝賀ムードを一層盛り上げた。その歌声は、日中両国の人々の平和への願いを象徴するものとなった。

この30年を通じて、芸術の力は国境を越え、人と人との心をつなげてきた。今後も、日中書画篆刻交流会と上海市対外文化交流協会が連携し、ともに筆を執り、書画を通じて両国の友情をさらに深めていくことが期待されている。