2025年の春以降、「新たな質の生産力(新質生産力)」を旗印とした協力の波が香港に広がっている。スマート製造、バイオ医薬、グリーンエネルギー、デジタル経済など、さまざまな分野で内地(大陸本土)各地の省が続々と香港を訪れ、プロモーションや交流を展開。協力はより広い領域、より深いレベル、より高い次元へと進化している。
例年と比べ、今年のプロモーション活動は「科学技術による高度化」が一層際立っている。
3月、黒龍江省商務庁主催の「黒龍江――香港投資協力交流会」では、ハルビン工業大学先端技術研究院のロボットアームが器用に物品をつかみ、AIによるバーチャルキャラクターがユーモラスな会話で来場者を引きつけた。
5月には「湖南—香港投融資マッチング会」で発表された「ニーズ・プロジェクト情報冊子」に203件のプロジェクトが掲載され、その6割以上がハイテク企業によるものだった。
こうした変化は、香港と内地の協力が、従来の農産品貿易や投資誘致から、科学技術イノベーションと産業連携へと転換していることを映し出している。
全国政治協商会議委員で香港特別行政区立法会議員の譚岳衡氏は取材に対し、「香港と内地は、研究開発は香港、生産は内地という連携モデルを構築しつつある」と述べた。
香港の基礎研究力と内地の製造能力が見事に補完し合っており、今後はさらに高度で専門性の高い企業が香港進出を進めると予測。協力範囲も、従来の投融資から産学連携など複数分野へと拡大すると語った。
政府の連携による推進は、今年のプロモーション活動の大きな特徴となっている。複数の省の党委書記や省長が代表団を率いて香港を訪れ、特区政府と緊密な連携を図った。
黒龍江省商務庁の李繼剛庁長は、「今回の交流会は近年における同省最大規模・最高レベルの対外経済貿易イベントであり、黒龍江と香港の経済協力が新たな段階に入った」と述べた。
協力の形も進化している。
湖南省はプロジェクト情報冊子の発行を通じて省全体の科学技術ニーズを体系的に紹介し、山東省は香港貿易発展局と長期的協力体制を構築。吉林省は香港をプラットフォームに長白山地域の特色ある産業の国際展開を推進し、雲南省は香港の投資家と、グリーンエネルギー、新素材、高地農業、バイオ医薬、文化観光・健康産業などの分野で実務的な協力に合意した。
香港中華総商会の副会長・樊敏華氏は、「香港は“スーパー・コネクター”から“スーパー・バリューアドダー(付加価値提供者)”へと進化しており、内地企業に対してブランド構築や国際マーケティングなど多方面で支援を提供している」と述べた。
新たな協力は新たな可能性を生む。
東北地方の旧工業地帯における装備製造業、中部省の技術革新、西部地域の特色産業はいずれも、香港という国際プラットフォームを通じて発展の新たな機会を模索している。
香港特別行政区の李家超行政長官は、各省の代表団と会談した際、「香港特区政府は国家発展戦略への積極的な参画を重視しており、『一国二制度』の優位性を最大限に発揮し、内地各地の国際市場参入を後押ししていく」と繰り返し強調した。
協力の深化と拡大が進む中、「新たな質の生産力」を軸とし、「高品質な発展」を目指す全く新しい協力の枠組みが形成されつつある。
山や海を越えて双方向に向き合うこの取り組みにおいて、香港の国際性と専門性、内地の産業力とイノベーション力は相乗効果を発揮し、中国の高度な対外開放の新章を共に紡ぎつつある。
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