『紅の豚』に登場する飛行艇「サボイアS-21」の木製アート作品 © 1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN
世界中で愛されるスタジオジブリ作品が、どのようにして各国・地域の人々に届けられてきたのか――その軌跡をたどりながら、映画の名場面を立体造型で体感できる展覧会『ジブリの立体造型物展』が、5月27日より東京・天王洲の寺田倉庫で開幕した。会期は9月23日まで。
本展は、ジブリ作品を“仕組み”ではなく“人”の力で世界へと広めた海外のパートナーたちに焦点を当てるとともに、『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』といった代表作の名シーンを、立体造型という新たな表現で紹介するものだ。
海を渡った“熱風”――ジブリを世界に届けた人々
展覧会のテーマは「海を渡った熱風」。これはスタジオジブリの語源とも言える“熱風”にちなんだもの。ジブリの海外展開には長年、各国の配給担当者や映画人たちの地道な努力があった。知名度が低かった時代、ジブリ作品を自国に紹介しようと奮闘した彼らの存在にスポットを当て、北米・欧州・アジアなどでの展開の軌跡を振り返る。
名作の世界に“立体”で飛び込む
会場では、スタジオジブリの名作の数々から印象的な場面が立体造型物として再現されている。アニメーションならではの動きや空気感を立体で可視化することで、観客は新たな角度からジブリの世界観を体験できる。会場を巡ったあと、改めて映画を観たくなるような構成となっている。
飛行艇サボイア、木製アートで登場
見どころのひとつが、『紅の豚』に登場する飛行艇「サボイアS-21」の木製アート作品。特撮美術の第一人者である伊原弘氏が中心となって制作し、圧倒的な存在感を放つ。開幕に際して行われたセレモニーでは、伊原氏が「宮崎駿監督に『美しいですね』と言っていただけた時、これまでの挑戦が報われた思いだった」と語った。
俳優・小泉孝太郎さんもゲストとして登壇し、「設計図が伊原さんの頭の中にしかなく、それをスタッフ全員が共有して形にしていく様子は、まさに神業でした」と感動を語った。
宮﨑駿監督の短編アニメも特別上映
また、本展では特別企画として、宮﨑駿監督が2002年に三鷹の森ジブリ美術館のために制作した短編アニメーション『空想の空とぶ機械達』も上映される。大空を夢見た人々の“空想の飛行機械”を描いたこの作品は、展覧会のテーマと呼応する形で来場者に提示される。
■イベント概要
『ジブリの立体造型物展』は、2025年5月27日(火)から9月23日(火・祝)まで、東京・天王洲の寺田倉庫B&C HALL/E HALLにて開催。開場時間は9:30~20:00(最終入場19:00)。チケットは日時指定予約制。
スタジオジブリ代表取締役社長・日本テレビ代表取締役社長の福田博之氏(左)、株式会社マーブリングファインアーツの伊原弘氏(中)、俳優の小泉孝太郎さん(右) © Studio Ghibli
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