伊豆梧桐美術館開館記念展「交錯展・斎藤義重×飯塚八朗」が開幕

春の陽光に満ち、芸術の薫り広がる季節、3月22日、日本の静岡県伊豆梧桐美術館にて、開館記念展「交錯展・斎藤義重×飯塚八朗」が華やかに開幕しました。本展は5月4日まで開催され、日本前衛芸術を代表する二人の巨匠による抽象芸術作品が一堂に会します。中日文化界の民間交流と相互理解を深める新たな契機として大きな注目を集め、多くの文化関係者やメディアが来場しました。

開幕式では、全日本中国美術家協会の事務総長であり、梧桐美術館・東京芸術研究院の院長でもある銭亜博氏が司会を務め、自身の東京芸術專門学校(TAS)への留学体験を振り返り、誠実な交流が若い芸術家に与える深い示唆と、自らの現代芸術への道を定めた原点について語りました。

梧桐美術館館長である林依峰氏は、開館に際して長期にわたる綿密な準備と、多くの芸術家やボランティアの熱意と信頼の結晶である本展を美術館の重要なマイルストーンと位置付け、日中芸術交流の深化と、前衛芸術を通じた観客の思索とインスピレーションの触発に期待を寄せました。

梧桐美術館理事長で彫刻家の邹東方氏は、自身が東京芸術專門学校(TAS)で学び、斎藤義重・飯塚八朗の両氏に薫陶を受けた経験を披露。「交錯展」を開館展として開催する意義を、師への敬意と理念の継承だと語り、伊豆梧桐美術館が日中の芸術家をつなぐ新たな架け橋となることを願いました。

現役のアーティストである中川猛氏と市野泰通氏は、二人の巨匠の作品が素材と形式の関係性を超え、空間構造と力学的関係の深い思索に基づいていると強調。学術的かつ開放的な教育理念は、今日の若い世代にとっても刺激的であると述べました。

美術評論家の千石英世氏は、日本前衛芸術の系譜に位置付け、「交錯展」が抽象絵画と都市彫刻の両面で革新性を体現していると語り、斎藤・飯塚両氏の芸術的探究は中日芸術対話の思想的基礎を築くと同時に、日本現代美術の理論と実践に深い融合と変革をもたらしたと論じました。

飯塚八朗氏のご子息飯塚次郎氏と、斎藤義重氏のご子息斎藤和土氏が登壇し、来場者への感謝の意を述べ、父たちが生前掲げた「共に歩む」創作と教育の理念を継承し、伊豆梧桐美術館はこの地域におけるアートツーリズムのランドマークとなるだけでなく、日中間の現代アートの協力のプラットフォームとしても期待されます。また、若いアーティストに幅広い展示と交流の場を提供することが望まれています。

JAALA(日本アジア美術家連盟)会長の小林はくどう氏も乾杯の挨拶で、20歳のときに斎藤氏から受けた厳しい指導を回想。作品の本質を見極める重要性を学んだ体験が、自らの長い芸術人生を支える信念となったと語り、この展覧会が若手芸術家に新たな刺激を与えることを信じてやみませんでした。

斎藤義重氏と飯塚八朗氏、両名の長年にわたる創作の軌跡は、日本前衛芸術の発展における深遠な貢献を物語っています。

彼らは力学と美学を巧みに融合させ、抽象表現を通じて空間の無限なる可能性を解き放ってきました。「交錯展」は、芸術への探究心と独立した思考を呼び覚ますだけでなく、日中民間文化の絆の一層の強化を目指します。

今後、伊豆梧桐美術館は「芸術に国境なし」という理念のもと、さらなる国際的なアート交流の場を創出し、世界の芸術界に新たな潮流と活力をもたらすことを目指してまいります。