2025年―中国観光業はさらなる高みへ

新年が明け、万物が新たな息吹を迎えている。2025年の春節休暇に向けた旅行予約がピークを迎えた。祝日スケジュールの発表を受け、CtripやTongchengといった予約プラットフォームでは春節期間中の航空券検索数が急増。Qunarのデータによると、2024年12月中旬時点で、春節期間中の国際航空券とホテルの予約数は前年同期比で2倍以上となった。観光市場の「好調なスタート」により、25年の観光業の発展に期待が高まっている。

文化と観光の融合が生む

新たな魅力

24年を振り返ると、中国観光発展史上、特別な意義を持つ一年であった。同年5月17日には全国観光発展大会が開催され、習近平総書記は観光事業に対し重要な指示を出し、観光強国の建設を加速させるための具体的な計画を提示した。

この一年、各地で文化と観光の融合が進み、高品質な観光を目指した取り組みが展開された。国内旅行市場では新しい商品やサービスが次々に登場し、観光業はますます繁栄の兆しを見せた。

24年前三四半期には、国内旅行者数が約43億人に達し、観光業は消費需要の拡大や生活向上に大きく寄与している。「China travel」の人気も上昇を続け、24年前三四半期の中国への外国人観光客は9,462.83万人で前年同期比78.8%増加。

中国観光は、経済の回復力や文化的自信を示す窓口として機能し、世界中に成長機会を提供している。また、中国人観光客の海外旅行も19年の水準に近づき、国際観光市場でも存在感を増している。

24年の中央経済工作会議では、「多様な消費シナリオの革新、サービス消費の拡大、文化観光業の発展促進」が明確に打ち出された。

新年に向けた取り組みもすでに始動している。先日、文化観光部は第4四半期の定例記者会見を行い、質の高い観光商品の提供やサービス向上に努めると発表。「国家級」観光地の価値向上、地方観光ルートの拡充、ウィンタースポーツ観光の普及、テーマ商品の多様化など、旅行の選択肢をさらに広げる方針が示された。

各地では観光発展の計画が発表されている。北京・天津・河北の三地域はそれぞれの強みを活かし、地域観光資源を統合。1億人規模の「気軽に行ける観光圏」の整備を進めている。海南省は、25年に「国際観光消費センター」のさらなる充実と「世界一流の観光地」づくりを推進し、「X+観光」戦略を展開。山西省は「三大世界文化遺産」の価値向上や「三つの主要観光都市」のブランド強化、「三つのナンバーワン観光道路」の全線開通を機に、施設整備や観光商品を拡充し、魅力をさらに高める計画だ。江蘇省では《高品質観光リゾート地発展計画(2024―2026年)》が発表され、26年までに国家級リゾート地を増設し、年間観光収入10億元(約215億円)規模のリゾート地を複数整備することを目指している。

 

革新と融合で描く

観光の未来

25年は「第14次五カ年計画」の最終年であり、観光強国への基盤を築く重要な一年となる。観光業は、消費拡大の新たな原動力として、また地域文化や経済の活性化を測る窓口として、さらなる成長を遂げるだろう。革新と融合を深めながら、人々に新たな旅行体験を提供し、観光業はさらに高みを目指して進化し続けるのである。