2025年2月、米国株式市場は正念場を迎えている。トランプ政権の関税政策をめぐる駆け引きや、中国のAI企業「DeepSeek」の台頭によるエヌビディア株への影響などが続き、日米の市場は不安定な値動きを見せている。市場の不透明感が増し、米国株の価格変動が一層激しくなっている。
現在、投資家の最大の関心事は2月上旬の決算シーズンである。Googleの親会社であるアルファベットやアマゾンなどのテクノロジー大手が決算を発表し、市場はここから2025年の業績見通しを探ろうとしている。
「M7」(米国株式市場を牽引する主要テクノロジー企業7社)は衰退の兆しを見せている。バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、マイケル・ハートネットは、AI投資の冷え込みと、評価価格の高さがハイテク株のパフォーマンスを圧迫する可能性があると指摘している。
2月6日時点でS&P500指数構成銘柄の約6割が決算を発表したが、M7の多くは市場の期待を下回った。例えば、アルファベットはクラウド事業の成長が予想に届かず、株価は7%下落。マイクロソフトも6%以上下落した。
ギリアド・サイエンシズは、抗HIV新薬の画期的な開発により、2024年のサイエンス誌で「最も重要な科学的ブレイクスルー」と評価された後、株価は2023年6月以降40%近く上昇した。医療業界には政策リスクもあるが、規制緩和がM&A(企業買収)を後押しするとの期待が高まっている。
CrowdStrike Holdings(クラウドセキュリティ):AIを活用したセキュリティ技術が評価され、株価は過去最高を更新。
ServiceNow(クラウド管理ソフトウェア):AI導入の進展で、株価は史上最高値に。
ブロードコム(Broadcom)の2025会計年度のEPS(1株当たり利益)は前年比で3倍以上の成長が見込まれ、半導体セクターの注目株となっている。現在、AI計算の中心を担っているのはエヌビディアのGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)だが、ブロードコムはASIC(特定用途向け半導体)の開発を進めている。ASICはGPUと比べて消費電力が低く、コストも抑えられるため、エヌビディアのGPUに代わる存在として普及が加速する可能性がある。
デルタ航空(Delta Airlines):高級志向の旅行需要が高まり、2025年も航空業界の成長が見込まれる。
ディズニー(Disney):動画配信事業の黒字化を背景に、2025年に33%の配当増を計画。
Live Nation Entertainment(ライブイベント):大型コンサート事業が好調で、2025年のEPSは倍増の可能性。
米国最大の天然ガス生産企業であるEQT コーポレーションの株価は、2024年10月末以降40%上昇し、エネルギー政策が業界の成長を後押ししている。
市場の中心がM7からヘルスケア、ソフトウェア、消費財、エネルギーといった分野へ移行する中、投資家は今後の利益成長が見込めるセクターに注目すべきである。ハイテク株の影響力は依然として大きいが、市場では業界の入れ替わりが進んでおり、2025年には新たな主役が登場する可能性がある。
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