中国企業のグローバルイメージ戦略を探る
――各界の要人が語る一流企業の新たなイメージ形成

企業は国民経済の基礎単位であり、中国経済を観察する重要な窓口である。より多くの中国企業を世界に知らしめ、中国企業を通じて中国式現代化の物語を生き生きと発信するにはどうすべきか。

中国企業は

質の高い発展で世界へ

先ごろ、中央宣伝部、国務院国有資産監督管理委員会、全国工商業連合会の指導の下、中国外文局が主催する第十二回中国企業グローバルイメージサミットフォーラムが北京で開催され、「発展と相互学習:世界一流企業の新たなイメージで現代化の道を共に進む」をテーマに、300人の参加者が、中国企業のグローバルイメージについて議論した。

企業の実力が良好な企業イメージを形成するための前提条件であり、中国企業は質の高い発展を通じてその基盤を強固にする必要があるとの共通認識に達した。

国務院国有資産監督管理委員会の譚作釣副主任は「新たな質を求め、世界一流の中国ブランドを打ち立て、中国式現代化の活力を示すべきである」と述べた。近年、中央企業は、新技術やニューモデルによって、新産業、新業態を生み出し、象徴的な製品を多く開発し、多くの新興産業クラスターを構築し、世界的な中央企業ブランドを多く創出しており、これらは現代中国の「質の高い発展」を生き生きと示している。

全国工商連合会党組メンバーである邱小平副主席は、中国企業、特に民間企業は「新たな質の生産力」や現代化された産業体系の構築という新たな局面やミッションをしっかりと捉え、モバイルインターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能といった新世代情報技術の急速な発展という歴史的チャンスを活かし、革新的投資と「質の高い発展」によって、企業のグローバルイメージを高めるための強固な基盤を構築すべきだと強調した。

広州文遠知行科技有限公司は自動運転の分野に注力し、今年、米国のライドシェア大手のウーバーと提携し、アラブ首長国連邦で商業運行を行い、大きな成果を上げた。同社の羅琳副総裁は、今後も安全で信頼性の高い自動運転技術によって企業イメージを高め、多くの家庭にサービスを提供していきたいと語った。

 

文化と技術で築く

中国企業の新イメージ

中国企業が海外に進出するには、正しいイメージ形成の道を模索する必要がある。多くの参加者が、テクノロジーや文化の力によって中国企業のグローバルイメージを構築し、中国企業のソフトパワーを形成すべきだと述べた。

中国外文局の杜占元局長は、時代の潮流に順応し、デジタル技術を企業のグローバルイメージ構築の全プロセスに組み込み、オーディエンス分析、世論分析、コンテンツ制作、コミュニケーションチャネル、費用対効果評価などにおける新技術の先導的役割を十分に発揮すべきだと述べた。また、VR等を活用し、より現代的な、テクノロジーを駆使したコミュニケーション関連製品を打ち出し、より立体感のある生き生きとした温かみのある企業イメージを打ち立てる必要がある。

文化交流は異なる国の人びとの心を繋ぐ重要な媒体である。保利文化集団股份有限公司の郭文鵬総経理は、フランスとの共同制作による演劇『レ・ミゼラブル』や、中国舞踊の海外公演を推進することで、中国の芸術と文化の誇りを世界に示してきたことを紹介し、「文化を担う中央企業として、中国文化を代表する作品をより多く海外で根付かせ、発展させるべき」と語った。

グローバル経営は、企業発展の重要な要素であり、企業イメージを構築する重要な機会でもある。

北京大学文化資源研究センターの張頤武主任は「海外に進出するすべての企業は、その土地で中国のイメージを代表している」と述べ、企業はグローバル化の過程で中華文明を如何に輝かせていくか、企業の知恵が試されると指摘した。

中医薬文化で

世界に健康を届ける

文化を先行させ、医薬を媒介として、同仁堂は中医薬文化を世界で数億の人びとに伝えてきた。北京同仁堂(集団)有限責任公司の顧海鴎副総経理は「われわれは、名医、名薬、名店を武器に商品やサービスを海外に展開しています」と話し、次のステップとして、店舗を拠点として、海外に中医薬文化を普及させるためのプラットフォームや健康管理サービスを行うプラットフォームを構築し、同仁堂を中国の健康文化を代表する企業の一つにしていきたいと明かした。