中国のR&D経費が70兆円を突破

国家統計局、科学技術部、財政部が共同で発表した「2023年国家科学技術経費投入統計公報」によると、2023年の中国の研究開発(R&D)経費総額は3兆3357億1000万元(約71兆4755億円)で、前年に比べ8.4%増加し、安定した成長を続けていることがわかった。

イノベーションで中国が主役に

国家統計局の社科文司統計学者、張啓龍氏は、「中国のR&D経費総額は2012年に1兆元(約21兆4274億円)、2019年に2兆元(約42兆8528億円)、2022年には3兆元(約64兆2822億円)を超え、現在は米国に次いで世界第2位となっている」と述べた。

R&D経費の増加は、中国が高水準の科学技術の自立と強化を加速させる強力な基盤を提供しているという。

2023年のR&D投資強度(R&D経費の対GDP比)は2.65%で、前年比0.09ポイント上昇し、第13次5カ年計画(2016年~2020年)の年平均上昇率0.02ポイントを上回った。

経費の用途別では、2023年の基礎研究、応用研究、実験開発への経費はそれぞれ2259億1000万元(約4兆8406億円)、3661億5000万元(約7兆8456億円)、2743億6500万元(約58兆7892億円)で、前年比11.6%、5.1%、8.5%増加した。

張氏は、「中国企業のR&D経費が社会全体に占める割合は米国(79.0%)、日本(79.4%)に迫り、ドイツ(67.4%)、フランス(65.8%)など欧州諸国を上回っており、イノベーションの成長を支えている」と述べている。