古陶磁で紡ぐ日中交流
――千年の技と文化の共鳴

「備前焼が茶系色を持つ理由は何か。その背後には『窯変』という色彩の秘密がある」。10月23日、河北省保定市曲陽県の文化体育センターにて、日本の岡山理科大学の研究者が中国のゲストとともに、中国と日本の陶磁器文化について交流を深めた。

千年の技術と現代の陶芸

温かみのある翡翠のような中国の曲陽定瓷、素朴な日本の備前焼の酒杯、水晶のような京都の蘇山青磁など、多彩な作品が並ぶ「瓷韻流長-中日陶磁文化交流活動」がこの日、曲陽市で開幕。多くの陶芸作品が展示され、陶芸家たちは会場で実演と解説を行い、陶磁器文化の奥深さを探求した。

呉江浩駐日大使はビデオメッセージで、中国と日本の陶磁器関係者が協力し、中日関係の発展に寄与することを願うと述べた。

備前市の吉村武司市長は、備前焼は日本六古窯の一つで千年以上の歴史を持ち、日本を代表する伝統工芸であるとし、「陶磁器が日中両国の文化交流に貢献することを望んでいる」と語った。

備前市出身の陶芸家・木村桃山氏は、エプロンを身につけて現地の曲陽陶土を使い、ろくろを回して作陶を実演。「備前焼は釉薬や彩色を施さず、炎と技法に頼ることで、一つ一つが異なる作品になる」とその魅力を紹介した。

千年にわたる窯火は、東洋文明ならではの質感と温もりを伝えている。現在、曲陽県には360を超える陶磁器工房があり、400種類以上の製品を生産し、2万人以上が働いている。

中国の美術工芸師で国家級無形文化遺産である定窯の焼成技術の継承者である龐永輝氏は、会場で刻花(文様を刻む技法)を実演し、定窯の芸術性と創造性を紹介。「定磁の白は、絢爛さを極めた後に平淡に戻る、素朴でありながら深みのある美しさであり、そこには中華文明の歴史的な蓄積がある」と語った。

陶芸家の白明氏は、中日両国の陶芸作品には共通して土地、火、人への無限の憧れが込められているとし、「陶芸は人々の創造力を通じて永続的な関係を築くもので、その背景にあるのは壮大な物語ではなく日常生活だ」と述べた。

陶磁器が結ぶ中日友好の絆

中日友好協会の程永華常務副会長は、陶磁器が中国発祥であり、世界の文化遺産であることを強調し、「中国と日本には長い製陶の歴史があり、それは文化芸術の相互学習と交流の重要な担い手である。民間の友好こそが常に中日関係発展の源泉である」と記者に語った。