2024年9月29日、『時代空間』主催、洪隱と蔡思佳の監修による『遍照――趙永昌&江翰ふたり展』がアモイ時代美学館で開幕した。本展には、彫刻家・趙永昌と画家・江翰による絵画、彫刻、インスタレーションなど、近年の代表作が展示され、使用された素材はアクリル、ブロンズ、金箔、ジュラルミン、木材、複合素材と多岐にわたる。趙永昌は独自の造形で自身の思想を表現し、江翰は感情をキャンバスに託している。二人の作品は互いに補完し合い、幻想的で夢のような世界を作り出している。
アモイを訪問中の日本・真言宗総本山仁和寺の牟田清樹総務部長、そして真言宗大楽寺の盛道阿闍梨住職ら一行が、この『遍照――趙永昌&江翰ふたり展』を訪れ、青年画家・江翰と親交を結んだ。
牟田総務部長は、江翰の作品『彼岸』の前でしばし足を止め、作品に描かれた宝塔が静寂で悠久の世界へと人々を導くかのように感じた。また、『千仏万印』シリーズは観る者を幻想的な世界へと誘う。
牟田総務部長は江翰の作品を高く評価し、芸術を通じた交流が両国の友好関係をさらに深め、平和的発展の礎となると語った。その後、牟田総務部長は仁和寺を代表して江翰の作品『負笈遠游』を受贈し、返礼の品を贈呈した。また、盛道阿闍梨住職も真言宗大楽寺を代表し、江翰の作品『心境五重塔』を受贈し、同様に返礼の品を贈った。
江翰の作品は中国画の伝統的な世界観と現代的な表現の融合が特徴で、色彩と構図から豊かな感情が伝わってくる。本展に出展された『如是我聞』では、終南山の美しい景色が生き生きと描かれ、故人が馬に乗って雲や霧を駆け抜ける姿を通して、故人への深い想いが表現されている。
また、江翰は本展のために特別にインスタレーション作品を制作した。光と影の中で揺らめく灯りが旅人を砂漠の蜃気楼へと導くような幻想的な空間が広がり、まるで心を癒す小さな茶室のような雰囲気を醸し出している。この作品は、来場者にとって人気の撮影スポットとなり、多くの人々を引き寄せた。
幼少期から芸術的才能を示した江翰は、律宗の祖庭である净業寺の住職から直接指導を受け、東洋と西洋の文化を比較し、その本質を探求する中で独自の中国画スタイルを確立していった。彼の作品には細部にわたって物語が込められ、深い美意識や自然、人生への洞察、そして異なる文化や時代との対話が表現されている。多くの創作インスピレーションは、虚無と真実への探求から生まれ、試行錯誤の末に初心へと立ち返る姿勢が見受けられる。それは、芸術の本質への敬虔さと追求を反映している。
2021年には、江翰のデジタルアート作品が初めて中国のNFTプラットフォームで販売され、16000点がわずか30分で完売した。彼はアモイ、ボストンなど世界各地で個展を開催し、作品はイタリアのカッラーラ美術館、中国の嵩山少林寺、アモイの南普陀寺、江西の宝積寺、日本の仁和寺や大楽寺などに所蔵されている。さらに、2023年にはルクセンブルク・アート・プライズ2023で国際芸術功労賞を受賞した。
『遍照――趙永昌&江翰ふたり展』は、11月16日までアモイ時代美学館で開催されている。ぜひ足を運んで、その世界観に触れてほしい。
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