ここ数年、中国のハイテク製造業が急速に成長し、産業全体をリードする役割を担うようになっている。その理由とは何か。
人間のボイスを模倣して自動車のスマートキャビンをテストする検査ロボット、衣類を折りたたみ、掃除をするサービスロボット、効率的にネジを締めたり荷物を運んだりする人型ロボット……。
このほど北京で開催された世界ロボット大会では、600以上の革新的製品が披露された。現在、中国は世界におけるロボットの技術革新、応用拡大、産業ガバナンスの重要なパワーであり、ロボット関連の「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」の特徴を持つ「小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)」は400社を超え、世界最大のロボット製造大国、産業ロボット市場となっている。
「ロボット+」の応用分野が加速度的に拡大し、産業ロボットは国民経済の71業種を網羅している。
中国船舶集団が研究・開発・設計・建造した「緑能瀛」号は、世界の大型LNG(液化天然ガス)輸送船の中で最高の技術水準に達した。スマホメーカーの栄耀(Honor)は新世代の折りたたみ式スマートフォンを発表し、厚さを9.2ミリメートルにまで抑えて、折りたたみ式ディスプレイの最薄記録を更新した。
海信視像の黄島拠点ではインダストリアル・インターネットが大規模に活用されており、在庫から出荷、受取までの供給サイクルを20%短縮した。全国で「5G+インダストリアル・インターネット」の応用が41の主要産業類別に広がっている。
新たな質の生産力が中国で発展を加速し、ハイテク、高効率、高品質等の特徴を備えたハイテク製造業が活況を呈し、力強く成長し、中国経済の新たな原動力と新たな優位性を象徴する存在となっている。
今年に入ってから、中国のハイテク製造業は産業全体をリードし続けている。7月には、一定規模以上のハイテク製造業の生産額(付加価値ベース)が前年同月比で10%増加し、伸び率は6月を1.2ポイント上回り、一定規模以上の産業全体を4.9ポイント上回った。イタル・タス通信は「中国のハイテク製造業は急速な成長の勢いを示しており、ハイテク分野の発展が経済の質的向上を最も直接的に体現している」と報じた。
ハイテク製造業は、しばしば研究開発(R&D)投資が多く、製品の付加価値が高く、市場の広がりも大きい。今年1-7月、ハイテク製造業の利益は前年同期比で12.8%増加し、一定規模以上の産業全体の平均を9.2ポイント上回り、一定規模以上の産業の利益成長を2.1ポイント押し上げた。その牽引作用は顕著だ。
1-7月に、中国の機械・電力設備製品の輸出額の割合は59%に達し、前年同期比で0.9ポイント増加した。自動データ処理機器とその部品、集積回路、船舶などの輸出はいずれも急速に増加した。特に目立ったのは家電製品で、2023年3月以来、輸出額は17カ月連続で前年同期比プラス成長を続けている。
1-7月に、ハイテク製造業への投資は前年同期比で9.7%増加し、投資全体の増加率を6.1ポイント上回った。これは、現在の中国のハイテク製造業が旺盛な市場需要を維持していること、企業や投資家がこれらの産業の発展に強い信頼を持っていることを物語っている。
中国マクロ経済研究院の専門家・張于喆氏は、「投資と市場の拡大から、利益の増加、そして研究開発と製造の拡大まで、ハイテク製造業では好循環が生まれており、明らかな高成長性を示している」と指摘する。ブルームバーグの記事は、「中国の科学技術の進歩とそれに伴う旺盛な輸出が、経済成長率5%前後という目標達成に寄与する」との見方を示した。
ハイテク製造業の目覚ましいパフォーマンスは、産業の高度化と経済成長を支え、信頼を下支えし、中国の長期的な発展の基盤をさらに固めるものとなっている。
トップニュース
2024/7/4 |
||
2024/7/1 |
||
2023/10/5 |
||
2023/10/12 |