2024世界人工知能大会が上海で開催
新技術があらゆる産業に力を与える

先ごろ「2024年世界人工知能大会および人工知能グローバルガバナンスに関するハイレベル会議」が上海で開催され、107のフォーラムが開かれ、1500点以上が出品され、50点以上の新製品がお披露目された。「協議による共有の促進、グッドガバナンスによるグッドAIの促進」をテーマに、参加者は交流を深めた。

人工知能とヒューマノイド

ロボットの未来

52000㎡を超える展示面積、初となる6000㎡ものパビリオンに、100近い大規模モデルが集中して展示され、中国初の等身大のオープンソースソフトウエアヒューマノイド公共ロボットが公開されるなど、500社以上の有名企業が出展した。

商湯科技開発(センスタイム)の大規模モデルを使えば、写真に写った人物の表情や体の動きを、生き生きとしたビデオに生成することができる。アリペイのインテリジェントアシスタントを起動し指示を与えると、AIが素早く回答し事務処理を行う……会場では、あらゆる産業に力を与える新技術に驚きと喜びの声が絶えなかった。

会場には、大規模モデルの応用製品だけでなく、大規模モデルの運用をサポートする技術・サービス製品も出展された。現在、大規模モデルのコーパスは英語が中心で、中国語コーパスの割合は比較的少数である。ページを跨ぐ表や複雑な公式などの非構造化データは、依然として大規模モデルのコーパスの大きな障害となっている。上海合合信息科技有限公司が開発した「大規模モデルアクセラレーター」は、100ページもの文書の非構造化データを迅速に解析すると同時に、文書を理解し、文書の読み取り順序を復元し、事前トレーニング、コーパス開発、実行プロセスを加速する能力を備えている。

当大会で注目を集めたヒューマノイドロボットエリアには、過去最多の製品が出展された。星動紀元のブースの大画面では、万里の長城を登るヒューマノイドロボットの映像が注目を集めた。上海張江ハイテク産業開発区で開発されたヒューマノイドロボット『青龍』は、オープンソースであることを発表し、汎用人工知能を志向する……奇抜でクールなヒューマノイドロボットは、見る者を未来の世界へ誘った。

大会へのオフライン訪問者は延べ30万人を突破し、ネットへのアクセス数は20億を超えた。前回の大会から90%増加し、ともに過去最高であった。

人工知能技術の絶え間ない進歩は、経済・社会の発展に寄与する一方で、巧妙な偽造、プライバシーの漏洩、知的財産権紛争など多くのリスクや問題ももたらしている。チューリング賞受賞者で中国科学院院士である姚期智氏は、人工知能のリスクはネットワークリスクの拡大や無意識の社会リスクに現れていると指摘する。

人工知能のグローバルガバナンスを強化するためには、対話と協力によるコンセンサスの構築が急務である。大会の開幕式で発表された『人工知能グローバルガバナンス上海宣言』では、人工知能のグローバルガバナンスに関する中国の考えが世界に示された。また、今年の大会では初めて、人工知能グローバルガバナンスに関するハイレベル会議が行われ、3日間で50数カ国・地域から1300名のゲストが訪れ、各種フォーラムに出席した。

当大会では、モデルアルゴリズムの計算能力、具現化された人工知能、産業エコロジーなどのトピックに焦点を当てた107のフォーラムが開催された。

人工知能の未来展望と

経済インパクト

大規模モデルの今後の発展動向について、清華大学智能産業研究院の張亜勤院長は5つの側面があると分析する。

第一に、マルチモード、クロスモデル、マルチスケール。

第二に、今後、人工知能はテレビ、携帯電話、自動車などさまざまなエッジデバイスに導入される。

第三に、大規模モデルは、一つのツールとなり、自律的にタスクを計画し、コーディングし、ツールを動員し、パスを最適化する知的エージェントとなる。

第四に、大規模モデルは現在、交通、通信、送電網、その他物理インフラに利活用され、自動化とインテリジェンス化を進め、具現化された人工知能となっている。

第五に、大規模モデルは生命体にも適用され、大規模モデルと生命体の連結を実現し、最終的には情報知能、物理知能、生物知能の融合が実現する。

当大会では132の買い付け団体が交渉を行い、126のプロジェクトが買い付けの意向を示し、推定購買総額は150億元(約3200億円)に達する見込みだ。また、24の主要産業プロジェクトの調印が行われ、推定総投資額は400億元(約8500億円)を超える見込みである。