世界知的所有権機関(WIPO)は、2024年の世界知的財産の日記念イベントのテーマを「知財とSDGs―イノベーションと創造力で築く地球の未来」とした。中国は近年、知的財産権とイノベーションの分野で如何なる成果を上げているのだろうか。 WIPOと中国との協力の成果とは。両者は今後、どのような連携を図っていくのか。新華社が、WIPO中国事務所の劉華主任にインタビューを行った。
Q:近年、中国は知的財産権とイノベーションの分野で、どのような成果を上げていますか。
A:中国は世界の知的財産活動に大きく貢献しています。WIPOが発表した統計によると、中国は特許、商標、意匠、植物の新品種、地理的表示の数で世界第1位にランクされています。
それは、中国がWIPOグローバルIPサービスシステムを通じて提出した国際IP出願の数にも反映されています。中国は『特許協力条約』(PCT)国際出願制度の最大のユーザーであり、2023年には約7万件の出願を行っています。
さらに、中国はイノベーション力においても世界の重要な柱であり、2023年のグローバル・イノベーション・インデックスでは12位にランキングしています。グリーン・イノベーションの分野においても、中国は世界のグリーン・低炭素技術イノベーションに大きく貢献しています。2016年から2022年にかけての、中国のグリーン・低炭素技術特許の授権件数は17.8万件で、世界の総授権件数の32%を占めており、水素エネルギー、エネルギー貯蔵等、技術分野の特許が大幅に増えています。
また、中国は世界で最も多く科学技術クラスターを有しており、世界トップクラスの科学技術クラスターが24あります。中でも、深圳-香港-広州、北京、上海-蘇州の3つの科学技術クラスターは、世界のトップ5にランキングしています。
Q:WIPOと中国との協力の成果にはどのようなものがありますか。
A:近年、両者の間では、ハイレベルの戦略的交流、WIPOの事務局長や上級管理職チームの度重なる訪中、中国で開催される国内外に影響力をもつ重要イベントへの参加など活発な交流が行われ、一連の成果を上げています。
2023年、WIPO中国事務所は中国の100以上の会場でWIPOグローバルIPサービスシステムのプロモーション活動を展開しました。
中国の知的財産権やイノベーション・創造の分野における成果は都市の進化などの1つや2つには止まらず、知的財産権、イノベーション・エコシステム全般に体現されています。知的財産保護とイノベーション主導の開発を強化するという中国の国家戦略、国内の知的財産とイノベーション事業の包括的発展は、他の発展途上国の手本ともなり、この分野における中国の主導的地位を際立たせています。
Q:今後、中国はWIPOとの間で、どういった協力を計画していますか。
A:WIPOは中国との協力をさらに深化、強化し、知的財産権の運用によって雇用を創出し、投資を呼び込み、企業を支援し、持続可能な経済発展を促進していきます。
われわれは、中国のWIPOの規範策定作業への積極的参画を支持し、主要テクノロジー企業及び中小企業の「知的財産と先端技術に関するWIPO対話」への参加を奨励し、共に最先端テクノロジーが知的財産に与える影響について議論し、引き続き「世界知的財産の日」等の活動を通じて、特に、中国の新たな主体である中小企業、女性、若者によるイノベーションと創造の物語を広めてまいります。
さらに、中国において、特許、商標、意匠、地理的表示、仲裁、調停など、WIPOのグローバルサービスシステムの有効的活用を大きく推進し、サービスの質と効率性を高めてまいります。
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