「ブランド戦」を迎える中国車


2014年11月、中国の自動車販売台数は前年同月比2.30%増の209万900台となり、増加率が9カ月連続で低下した

販売の増加率が低下を続け、自動車市場は「在庫の許容範囲」との競争に陥っている。中国ブランドは技術開発に取り組み、製品の品質を高めなければならない。またブランドイメージの形成に力を注ぎ、社会の中国ブランドに対する偏見を変えなければならない。

中国自動車工業協会が2014年12月11日に発表したデータによると、中国の11月の自動車販売台数は前年同月比2.30%増の209万900台となり、増加率が9カ月連続で低下した。中国の自動車販売台数は全体的に安定しているが、増加率が低下の傾向を示している。

中国の2014年1−11月の自動車生産台数は7.21%増の2143万500台、販売台数は6.14%増の2107万9100台となった。そのうち乗用車の販売台数は9.22%増の1763万9700台。中国自動車工業協会常務副会長の董揚氏は、「自動車販売台数の増加率が大幅に低下し、かつ低下の傾向を示している。この流れは今後も短期的に維持される。2014年の1−2月の自動車販売台数の増加率は前年比で10.7%に達していたが、昨年は12%以上だった」と述べた。

販売増加率の低下により、自動車市場は「在庫の許容範囲」との競争に陥っている。大手ブランドは減少を続ける増加分の争奪に乗り出している。中国ブランドは低価格戦略が中心となっているが、開発力と資金力を持つ外国ブランドは新車販売を加速している。

フォルクスワーゲン(VW)、シュコダ、ヒュンダイを含む自動車メーカーは2014年、新車の販売を加速している。外国ブランドの攻勢により、中国ブランド(特にセダン)の発展が困難な局面を迎えている。中国自動車工業協会のデータによると、中国ブランドの1−11月のセダン販売台数は前年同期比17.34%減に、セダン販売全体に占める比率は5.3ポイント低下の22%となった。外国ブランドを見ると、日本車の販売台数が前年同期比で微減したほか、すべてのブランドが成長を維持した。

業界アナリストによると、中国市場の自動車販売台数の増加率がやや低下したが、欧米の成熟した市場と比べれば、依然として世界で増加率の最も高い市場だ。外国ブランドは中国でブランドの基礎を固めており、将来的により中国市場を重視するようになる。

外国メーカーは中国での研究開発、ブランド構築、生産の現地化に力を入れている。シュコダの関係者は、「当社は4台のうち1台を中国で販売している。より多くの中国人デザイナーを招聘する必要がある」と語った。

すでに販売が大幅に減少している中国ブランドにとって、これはより熾烈な競争を意味する。1−11月の販売ランキングの上位10社はすべて外国ブランドで、10位以内のSUVのうち中国ブランドは1車種のみだった。

専門家は、「競争で劣勢に立たされている中国ブランドは技術開発に取り組み、製品の品質を高めなければならない。またブランドイメージの形成に力を注ぎ、社会の中国ブランドに対する偏見を変えなければならない。これが各社の当面の急務となる」と分析した。

中国ブランドの品質は、国際機関に承認されつつある。調査会社のJDパワーが発表した新車品質調査を見ると、中国ブランドと外国ブランドの差は過去最小となっただけでなく、中国ブランド6社は主流ブランドの平均的な品質を上回った。中国ブランドは4年内に、品質面で外国ブランドに追い付くと予想されている。

董氏は、「中国ブランドは路地の奥深くに隠れていてはならない。一部の中国ブランドの宣伝費は外国ブランドの10分の1のみで、宣伝不足により社会各界の中国ブランドに対する理解が不足している。企業、政府、業界組織、メディアは中国ブランドの宣伝を行い、中国ブランドを購入・使用する雰囲気を醸成するべきだ」と提案した。